GIRL TALK

今日はどこもかしこも秋祭り。


GIRL TALK
1965(Bobby Troup / Neal Hefti) Bridget Maynes


We like to chat about the dresses we will wear tonight
We chew the fat about our tresses and the neighbour's fight


私たちは今夜着ていくドレスのことを話すのが好き
今日の髪型とかお隣のケンカとかで愚痴をこぼして
男なら知りたいとも思わない、どうでも良いことが
女たちには「チョー重要」で本質的なことになるの


でもそれが女、私たちはいつも同じ、ただのゲーム
私たちはそれを「ガール・トーク」と呼んでいるわ


自分たちの友だちを持ち上げたり、こき下ろしたり
「誰が」「どんな」「なぜ」と話のタネは尽きない
我ら、弱き者、喋る者、死すべき定めにあろうとも
女として生まれたこと、金塊とでも交換したくない


だから傍に来て、何か話そう、私の話を聴いて頂戴
それから、もし出来たらあなたのことも聴かせてね


女性のおしゃべり。ふわふわして内容がなくて、些細なことをペチャクチャとよくまあ飽きもせず。女性たちの不思議な生態を自分語りにして歌にしています。次から次に話題が出てくる。でもこれ、一人で落ち込んでいる友だちを見つけて、それとなく話しかけている歌だと見ると、軽薄そうに見せて、最後の「あなたのことも聴かせてね」が温かい。
1965年映画『ハーロウ』の主題歌。1930年代のアイドル女優ジーン・ハーロウの生涯を描く作品。16歳で駆け落ちし、ロサンジェルスに住んでいたジーンは結婚生活も長くは続かず、職を探して映画のスタジオにいた。そのスタジオではハワード・ヒューズ監督が『地獄の天使』を撮影中。でも主演女優の訛りがひどく、たまたま居合わせたジーンが代役をすることになり・・・。26歳のとき腎臓炎を患い、宗教上の理由で治療を拒み、その短い生涯を閉じている。「ルート66」ボビー・トゥループが曲を手掛け、奥さんのジュリー・ロンドンが歌っている。

1980年ベニー・グッドマン楽団の武道館公演。なのにグッドマンが目立ってない・・・。


Exclusively for My Friends, Vol. 2: Girl Talk
Exclusively for My Friends, Vol. 2: Girl TalkOscar Peterson

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1965年にいち早くジャズに取り入れたのがオスカー・ピーターソン。もともと単品のアルバムですが1992年に『Exclusively for My Friends』シリーズのボックスセットが出たとき、その2巻目となりました。「girl」といっても、ジャケットのような小さな女の子たちのおしゃべりをイメージしてるのか、スキップして駆け回る感じの天真爛漫な演奏。そして異様にハイテンションな盛り上がり方をします(試聴はこちら)。


Speak Love
Speak LoveElla Fitzgerald & Joe Pass

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でも、歌詞の面白さもあり、唄う人のほうが多いようです。中でもエラ&パスの一枚。ジョー・パスのしっとりしたギターが流れる静かな空間で、エラさんが噛みしめるように言葉を紡いでいく。アルバムの構成から見ても、恋人に語りかける曲として解釈しているようです。でも「みゃ〜ぉ」てネコの鳴き真似から始まるのはなぜ?


The Bossa Project
The Bossa ProjectRobert Lamm

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女性が歌うだけではなく、男性も歌っています。「女性って不思議だな」という感じで歌を進め、最後に「でも僕にも話をしてくれない?」で終わるプロポーズの唄になっている。ロバート・ラムはロックバンド、シカゴのヴォーカル。彼が今年出したアルバムの「ガール・トーク」が軽いボサノヴァにアレンジされていて、甘い恋の語りになってます。還暦越えたのにねー。


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ザ・キャット・アンド・ザ・ハット(紙ジャケット仕様)ベン・シドラン

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もう一つも唄もの。フュージョン界の、歌うキーボーダー、ベン・シドラン。2004年には自分でジャズ・レーベル「Nardis」を作っちゃいました。NardisはSidranを逆さに綴ったもの。マイルスがエヴァンスに贈った名曲でもあり、レーベルのマークはシドランがマイルスからプレゼントされたイラストを基にしています。そんなシドラン社長の若い頃の作品。1979年。リー・リトナーマイケル・ブレッカーら、フージョン界の(当時の)若手が揃ってお祭り騒ぎの「ガール・トーク」(試聴はこちら)。


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True BlueMark Whitfield

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ビバップ・ギターの正統派マーク・ホイットフィールド。1994年にヴァーヴに移籍しての第一弾。バックをブランフォード・マルサリス・トリオが担っている豪華な組み合せです。ウェス・モンゴメリーの伝統を受け継ぐ、力強く淡々とした26歳。ブランフォードのきらびやかなサックスと好対照をなして、音を織り合わせていきます。寡黙な人とお喋りな人が揃っても、それもまた一つの「トーク」。