LIKE SOMEONE IN LOVE

すべての恋してる人のために（前回分はこちら）。

LIKE SOMEONE IN LOVE
1944(Jonny Burke / Jimmy Van Hausen) Julie McKee

Lately I find myself out gazing at stars
Hearing guitar like someone in love

この頃ぼんやりと星を眺めてる自分に気づくわ
ギターを聴きながら、まるで恋してる人みたい
時たま自分のやったことにビックリしちゃうの
変ね、たいていあなたが近くにいるときなのよ

この頃歩いてると背中から羽根が生えたように
あちこちぶつかるの、まるで恋してる人みたい
あなたを見掛けると手袋のように力が入らない
この気持ちはなに？　まるで恋してる人みたい

ほんわかします。恋かそうじゃないか、まだ自分でも分かり兼ねている段階。危険信号に満ちている。お盆は引っくり返すわ、机の脚に蹴つまずくわ、階段を踏み外してしまうわ。もし身体から青あざが絶えなくなったら、この唄を思い出してください。きっとあなたの近くに「原因」が見つかるはずですから。
1944年TV映画『ユーコンの女王(Belle of Yukon)』の挿入歌。カナダのユーコン川沿いの街で起こる一騒動。無法者ジャックがダンスホール経営で一から人生をやり直そうとしているところに、彼の過去を知る女性ベルが現われて・・・。ジャックに想いを寄せる少女としてダイナ・ショアがこの唄を歌った。

コルトレーンの息子のラヴィ・コルトレーン。でも、この演奏には出てこないですね。ジャック・ディジョネットのドラムがイカすバージョンです。

Lush Life
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お父さんジョン・コルトレーン。1954年ジュアニータ・ナイーマと結婚。でも麻薬中毒だった彼は、1957年マイルスに殴られグループから解雇されてしまう。途方に暮れるコルトレーンを拾ってくれたのがセロニアス・モンク。そこでメキメキと力を付け、自分のリーダー・アルバムを出すようになります。「ラヴ」といっても、いろいろな愛に包まれている「サムワン・イン・ラヴ」。このサックスは温かい。

Dinah Sings, Previn Plays
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誰の歌かと言えばダイナ・ショア。しかもバックはアンドレ・プレヴィンのピアノ。少ない音数で、締め付けるような胸の痛みを表現しています。この1959年のバージョンは、ため息のように美しい。

ライク・サムワン・イン・ラヴ+1
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純粋にトランペットだと、リー・モーガンのアレンジになるかな。1960年ジャズ・メッセンジャーズのアルバム。サックスにウェイン・ショーターが入り、ハード・バップの伝統を守ってます。いつもならガンガン煽るボス・ブレイキーも、今日だけはやさしい。

チェット・ベイカー・シングス
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はい、またチェットです。チャーリー・パーカーの下でトランペットを吹いてたところ「歌ってみないか」と誘われ1954年。どの曲もイントロから覚えてしまう心地よさ。「マイ・ファニー・バレンタイン」も「バット・ナット・フォー・ミー」も、全部チェットの曲じゃないかと思えるくらい切ない。

Time Remembered
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エヴァンスの死後発掘された音源。1962年、スコット・ラファロを亡くした後の「サムワン・イン・ラヴ」。孤独です。ピアノを一人で弾いています。まだ自分と組める相棒を見つけていない。もの淋しさがそのまま鍵盤の上を漂っています。この哀しみは、チョコを貰えなかった侘しさの比ではありません。