IT’S ALL RIGHT WITH ME

では、「愛を失う」の後はどうなるのか? そこあたりを探してみると:


IT'S ALL RIGHT WITH ME
1953(Cole Porter) Brian Paster


It's the wrong time and the wrong place
Though your face is charming
It's the wrong face


時間も違うし、場所も違う
君の顔は素敵だけど
僕の知っている顔とは違う
でも君も素敵だから
僕は何も気にしない


歌も違うし、歌い方も違う
笑顔が魅力的だけど
僕の知ってる笑顔とは違う
でも君の笑顔も素敵だから
僕は何も気にしない


君に会ってどんな気持ちか
分からないだろうね
なぜか僕は君が気にかかる
僕には忘れがたい人がいる
君にもそんな人はいないか?


恋の駆引きが彼女とは違う
その唇も魅惑的だけど
僕の知っている唇とは違う
でもなぜか惹かれてしまう


もし一人の夜があれば
ぜひ僕を呼んでほしい
僕はいつでも構わないから


オチとしては軽薄かな。新しい出会い、二度目の恋。一度目で懲りてるから及び腰になって、「僕は構わないけど」なんて煮え切らない態度。でも彼女と違うのに、なぜ「君」に惹かれるのだろう? 「君」と「僕」は似た傷の持ち主どうし? 謎がさらに「君」を魅力的にし、この多重に織りなす思いが「新しい恋」を色鮮やかに染め上げていく。
ミュージカル『カンカン』のナンバー。パリ好きのコール・ポーターが19世紀末のパリを舞台に、芝居小屋の女性経営者とそれを取り締まる検察官の駆引きを描いた物語。結局この検察官(ピーター・クックソン)は女性経営者に恋し、この「It's all right with me」を歌ってしまう。うーん、なんか痛い過去がおありのようですね? 1960年にはウォルター・ラング『王様と私』『ショウほど素敵な商売はない』が代表作)が映画化し、フランク・シナトラが歌いました。


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8 1/2 スベニールは、アメリカ・テキサスのジャズバンド。軽快なリズムが、ジャンゴの五重奏団を思わせる。グローヴァー・ギルの吹くカーズーという笛が魅力的(あれ?解散したのかな?と思って調べてみたら、ジュリアナ・シェフィールドもマイムーってバンドに移ってました)。



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starお好きな人だけ聴きましょう
star音楽性が多様で聴き応えあり、まちがいなく名盤!

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シンガーソングライターで俳優のトム・ウェイツローリングストーンズやイーグルス、ラモンーズとの交流も深い。そしてこの「It's Allright with Me」の解釈。ぶっ飛んでます。


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これをブルージーというのか。アイク・ケベックの煙るようなテナーに、乾いたグラント・グリーンのギターが重なります。地下にあるジャズ喫茶でこういうのが掛かってたよなあ。


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エロール・ガーナーのピアノを今まで紹介してなかったような。ビハインド・ザ・ビートと呼ばれる独特の弾き方。左手でハンマーのようにリズムを叩きながら、その間隙を縫うように右手がアドリブを美しく奏でる。ガーナー屈指のライブ盤。


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2003年、ジャズの新世紀。ピアニストのゴードン・グッドウィンが「ジャズを面白くしよう」てことで、いろんなアーティストをフューチャーしたアルバム。マイケル・ブレッカーの「A Game of The Inches」が目玉か。「It's all right with me」はゴスペル・グループのテイク・シックスと。


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直接「It's alright with me」とは関係ありませんが、フレンチ・カンカンの映画ということで。ロートレックの悲しき人生を、酒場のお祭り騒ぎで明るく描く映画。19世紀末パリの雰囲気って、きっとこうだったのだろうな。