LAST TRAIN HOME

これがエンディングに来るとはなあ。


TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』公式サイト
©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会この番組はフィクションであり、登場する人物、団体、場所、事件等は実在のものとは一切関係ありま...
ジョジョの奇妙な冒険』が第3部のエジプト編に入りました。なんで、こんな古いマンガが取り上げられたのか分からないですが、やっぱり面白いですね。奇妙なマンガなんですよ。ちょうど『北斗の拳』が流行っていた頃。肉体と肉体のぶつかり合いが少年マンガの王道だった。そこに荒木先生は『精神と精神のぶつかり合い』を可視化したわけです。スタンドという装置を使い、見えないはずのものをバトルものとして見えるようにした。
スタンド自体は単純な能力しかありません。「水を動かせる」とか「砂を固める」とか、それだけのことです。アニメ化されてよく見ると、承太郎の「オラオラ」だけが反則級に強い。主人公のキャラ設定を間違っているとしか思えません。敵のスタンドのほうが圧倒的に貧弱。なのに、その敵たちが自分のスタンドを最大限に活用し、主人公を窮地に追い込んでいく。エジプト戦のンドゥールなんか、目が見えない。音だけを頼りに戦っている。だから細かな心理的駆け引きが生まれ、そこにジョジョならではの面白みが生まれる。



シーズンごとにエンディングが変わるのも、このアニメの魅力です。原作者の荒木先生が選曲するだけあって、渋い名曲を持ってくる。この1月からはパット・メセニーになりました。5人と1匹の旅なのですが、エンディングでジョセフが握りしめるチケットが3枚しかない。ストーリーを知っていると「ウッ」と来ます。みんなが無事に帰れるわけではない。だから流れる「ラスト・トレイン・ホーム」。旅を終える最後の列車。


Last Train Home
収録: Still Life (Talking)
演奏: Pat Metheny Group
▷Listen

1987年に出されたメセニーのアルバム。「ラスト・トレイン・ホーム」で奏でているのはギターじゃないですね。エレクトリック・シタールを使っています。だから、どことなく東洋的な、しかも日没の風景が浮かぶ。全てを終えて、帰って行くところ。



「ピクッ」まで再現されてるとは。この、ジョジョのOP/EDにまつわる「こだわり」の検証がすごい。アニメの製作陣が尋常ではないジョジョ愛を漲らせてます。