AULD LANG SYNE (Old Long Since)

雨が続いてますね。仕事納めも済んだというのに、なかなか年の瀬という気持ちにならないです。


AULD LANG SYNE (Old Long Since)
1788(Robert Burns / George Thomson) Stephen Saxon


Should auld acquaintance be forgot
And never brought to mind?


古き友を忘れることがあるだろうか
二度と思い出さないことが?
古き友を忘れることがあるだろうか
遠き昔を忘れることがあるだろうか


  あの日々のために、友よ
  親愛の杯を酌み交わそう


さあ、君はその杯を手に持ちたまえ
僕は自分の杯を手に取ろう
永久に変わらぬ友情に乾杯をしよう
二人過ごしたあの昔の日々のために


僕たちは二人、草原を走り回っては
美しいヒナギクを摘んで暮らした
でも苦しい旅が僕たちを待っていた
あの昔の日々はそのとき幕を閉じた


二人で小川に入って遊んだりもした
朝から夕暮れまで夢中に遊んだ
でも二人の間を広き海が引き裂いた
あの昔の日々はそのとき幕を閉じた


さあ、手を出してくれ、我が親友よ
手を取り合おうではないか
心ゆくまで、友情の杯を飲み干そう
二人過ごしたあの昔の日々のために


知らない曲ですか? 邦題『蛍の光』。そう、年末になると歌われるあの曲です。スコットランドの詩人ロバート・バーンズが「古老から伝え聴いた」と言いながら、実際は彼のオリジナル作品。子どもの頃の友人と再会する歌。スコットランドもイギリスに蹂躙されていた国なので、若者は兵力として村から徴兵されていった。それなのに、生きて再び会えた幸せ。大晦日ではなく、お正月や結婚式で歌うのが正しい歌い方です。
バーンズの歌には別のメロディが付いていたが、1799年ジョージ・タムソンが賛美歌「目覚めよ我が霊」のメロディを採用して広まった。レコードの無い時代だから「賛美歌の何番で」というのが分かりやすかったのだろう。日本では1881年文部省唱歌として稲垣千頴(ちかい)が訳詩。元の「酒を酌み交わそう」が小学生にはマズい、というわけで「蛍の光」に。再会の歌なのに別れの歌となり、卒業式に使われるようになった。

スコットランド議会はイギリス(グレートブリテン王国)の圧力で1707年に閉鎖された。しかし1999年にイギリスから権限委譲され再開。これは、2004年に正式な議事堂ができたときの開会式。

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歌っているのはフェアーグラウンド・アトラクションの元ボーカル、エディ・リーダースコットランド生まれの人だから、バーンズの曲を取り上げたアルバムも出しています。


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とはいえ、このスコットランド英語は覚えにくいみたいで「Christmas Auld Lang Syne」という替え歌があります。「クリスマスツリーの下に集まって、みんなで歌を歌おう。イエスさまに感謝を込めて。メリー・クリスマス&ハッピー・ニュー・イヤー」という内容。マン・カーティス作詞で、ボビー・ダーリンが1960年に歌いました。


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曲の性格上、クリスマス・ソングとセットになっちゃうんですよね。スムーズ・ジャズのボニー・ジェイムズ。ちょうど彼のオフィシャルサイトがクリスマス特集になっていて、流して聴いていると「蛍の光」も出てきます。甘さの中に渋さを添えているところがグッド。


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クリスマスとは関係なしに取り上げているアルバムとなると、このヨーロッパ民謡を集めたアルバム。ベースはディーター・イルグ、ギターはヴォルフガング・ムースピール。ひと味違うオーストリアのジャズです。ほのぼのとした民謡をフィールドワークして、洗練された都会の音楽に変容させています。