LUSH LIFE

朝寝して、食べて、昼寝して、食べて、少し横になって、食べて、一日が過ぎていく。


LUSH LIFE
1948(Billy Strayhorn) Michael Kevin Walsh


Life is lonely again
And only last year
Everything seemed so sure


また、一人っきりになってしまった
世の中が輝いて見えたのは去年だけ
今はまた非道い人生に逆戻りしてる
心の穴に詰っているのは退屈な思い


一週間パリで過ごし少し楽になった
笑うことだけ気にしてれば済むから


忘れよう、それが良い、君のことは
まだ脳髄に染みつき燃えてるけれど
恋は唐黍粥のようにドロドロしてて
足掻けば足掻くほど息が苦しくなる


安酒場でまた自堕落な人生を送ろう
同じ孤独を抱えた連中の中に混ざり
朽ちていく暮らしが俺には似合いさ


この歌、コーラスよりもヴァースのほうが長い。酒場でジャズを聴きながら無為に過ごしていた男が、ある夜ステージに出てきた歌姫に恋をして「あなたこそ、愛とは何か教えてくれた」と感動するものの、まあ、上手くいかんかった。間違ってたわ、というヴァースが付いてます。そういうわけで、元の酒浸りな生活に逆戻り。恋したからといって、生活を改めなければフラレて当然。
1933年ビリー・ストレイホーンが19歳のときに書いた曲。1938年彼の故郷にデューク・エリントン楽団がやってきたので、エリントンに自分の作品を聞いてもらった。エリントンは感動。即座に彼を楽団に迎え入れる。ただその後、公的には演奏されなかった。しかし1948年エリントン楽団カーネギー・ホールで公演する際、ストレイホーンは歌詞を付け足し、ケイ・ディヴィスの歌でお披露目した。完成までに15年掛かったことになる作品。



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片手だけで一人分の演奏をしてしまうフィニアス・ニューボーン。両手だと何人分の演奏をしてるのでしょう? 1961年ポール・チェンバースのベースと、フィリー・ジョー・ジョーンズのドラムで組んだピアノ・トリオ。


Lush Life
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コルトレーンには、 ジョニー・ハートマンと組んだ名演があるんですが、これはむしろその前の作品。1957年マイルス・グループを離れ、自分名義のアルバムを出したうちの一枚。「また一人に戻ってしまった」という意味で「ラッシュ・ライフ」はぴったり合っている。


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ボーカルはダイアン・シューアで。バックがメイナード・ファーガソン・バンドなので、明るい。軽快でお洒落なトランペットが入ってきます。なんだか、自堕落な生活もそんなに悪くないんじゃないか、と思えてくる。2001年のアルバム。


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ジョー・ヘンダーソンがストレイホーンの作品を紹介してくれるアルバム。ウィントン・マルサリスも参加してる、基本はにぎやかな演奏ですが、「ラッシュ・ライフ」では一転してソロ。サックスの独り語りです。誰でも最後は一人に戻る。少し淋しさを漂わせ、余韻が残ります。