MOON AND SAND

お盆越えてからのほうが、夜が暑い。


MOON AND SAND
1941(William Engvick / Alec Wilder) Jackie Ryan


Deep is the midnight sea
Warm is the fragrant night


真夜中の海は深く、香り立つ夜は暖か
君の唇は甘く、月や砂のように柔らか


ねえ、僕たちは再び出会えるだろうか
今宵が二人を置き去りにしたとしても
この魔法は変わらずに残るのだろうか


波が浜辺に打ち寄せて削り取っていく
たとえこの口づけが最後になろうとも
この夜は僕たちのもの、この月も砂も


あーあー、只今マイクのテスト中・・・。先ほどの地震に伴い、この地域には津波警報の避難勧告が出されました。しかも台風接近のため、満潮時の水位上昇が危ぶまれています。さらには夜間遊泳禁止区域です。そこの二人。すみやかに立ち去ってください。この浜辺は危険です。繰り返します。すみやかにここから立ち去って・・・(ザッブ〜ン)。あ〜あ、言ったのにぃ。
邦題『月と砂』。クラシックの作曲家アレック・ワイルダーの作品。ワイルダーは、ボストンで銀行を経営する資産家の跡取りでありながら、自ら家とは縁を切りニューヨークに飛び出してきて、クラシックやミュージカルの作曲に一生を捧げた。人付き合いが嫌い。生活もホテル住まい。ずっと独身。その中でも、この曲を作詞したエングヴィックは気の許せる相手だったらしく、全ての作詞を彼に託しているし、エングヴィックもワイルダーの曲にしか詩を付けていない。って、変な関係だなあ。



ケニー・バレルの全貌
ケニー・バレルの全貌ケニー・バレル

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star古き良き時代の傑作
starケニー・バレルのさまざまな才能を披露したジャズギターの快作

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1964年、名アレンジャー、ギル・エヴァンスによるケニー・バレルの紹介アルバム。ケニー・バレル自体は淡々と弾いてるんですが、リー・コニッツロン・カーターが参加していて、一切手抜きがありません。でも賑やかかな? もう少しギターに集中したい場合は1979年の『月と砂』。ジャケットもこちらのほうが渋いのに、今は廃盤中。


Moon and Sand
Moon and SandJohn Proulx

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starピアノ版チェット・ベイカー

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ピアノの弾き語りジョン・ペルー。2006年。素朴なまでにストレートな歌い方で、取っ付きやすいです。純真なお兄さんなんだろうな、と声だけで思ってしまうけど、それって騙されてる?
 公式サイト: http://johnproulx.com/
 MySpacehttp://www.myspace.com/johnmproulx



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starリージョンコードが残念
star白昼夢のように儚いドキュメンタリー

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ジョン・ペルー兄さんがなぜ歌ってるかというと、彼が敬愛するチェット・ベイカーが吹いてたから。それもこのブルース・ウェーバー監督映画『レッツ・ゲット・ロスト』で。晩年のボロボロになったチェットがダメな男ぶりを振りまいてます。枯れていて、渋くて、わがまま。でもこれ、リージョンが日本のDVDじゃないんですよね。サントラはこちらから。


STANDARDS ZONE
STANDARDS ZONE
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自滅型という意味ではチェットに負けていない、ジャコ・パストリアス。そうなんです。ジャコがスタンダードをやってる珍しいアルバム。ピアノのブライアン・メルヴィン名義なので気づかれにくい。1986年。ベースの音がズドンズドンと響いてきます。むちゃカッコ良いです。試聴はこちらから。


スタンダーズ Vol.2
スタンダーズ Vol.2キース・ジャレット・トリオ

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star月と砂漠
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「じゃあ、『月と砂』を演奏すると自滅するの?」。確かに。月も砂も、移ろい往くものの象徴。はかないです。虚しいです。でもそれだけじゃあ、哀しいです。というわけで、今も元気なキース・ジャレット。ピアノ・トリオの完成版とも言える「月と砂」。美しくてドキドキします。1983年。ってことは、このあと慢性疲労症候群を発症したわけか・・・。「月と砂」、おそるべし!
 公式サイト: http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/keith_jarrett/