インターネットの半世紀を振り返る、歴史年表が出てました

ちょっとTextwellの箸休め。


インターネット歴史年表 - JPNIC
メインコンテンツへジャンプする最終更新日 2013年9月6日 最先端科学技術の軍事利用への転用のための研究を取り扱う組織として、米国防総省に高等研究計画局(ARPA; Advanced Re...
日本のIPアドレスを管理しているJPNICが、インターネットの歴史を公開しています。1958年に軍事目的で作られたARPA。第三次世界大戦への不安が「中枢を持たないネットワーク」の構想を押し広げた。ただの理論で過ぎなかったものが、今では小学生がスマホで操るオモチャになってます。素晴らしいことだと思う。核戦争を起こさなかった対価として人類が手に入れたもの。物騒なARPANETはもう無い。あるのは、この「インターネット」。



Mosaicの登場が1993年。もう20年経つんですね。ネットスケープの前身、といっても「ネットスケープ」を知らない人も多いことでしょう。HTMLの書式と、それを表示するブラウザを定義したソフトウェアです。それまではパソコン通信のような、文字だけのやり取りしかインターネットでは出来なかった。しかも、ネットにリクエストを送り、その返事を表示させる形式でした。そこに「リンク」という概念を持ち込んだ。別のサーバーにあるデータを参照する方法が出来た。MacPeopleの記事で読んで、感動したのを覚えています。試してみたかったけれど、日本にはまだない、アメリカでの出来事でした。



それが2年後、Windows95の登場によって激変する。Windowsは初め、Microsoftが経営するパソコン通信 msn を全面に出してユーザーに加入させようとしていた。でも、日本では富士通のNiftyServeとNECPC-VANがトップシェアで、パソコン通信Microsoftに入り込む余地がない。アメリカでもCompuServeが強かったのだと思います。そこでMicrosoftはWin95にインターネット・エクスプローラという、謎のソフトウェアを組み込んできた。msn経由でインターネットに繋がるブラウザです。しかも、その頃は中継地点に電話を掛けて、音声で通信を行うシステム。文章にするとそのローテクさに唖然としますが、みんな、そんなものに夢中になったわけです。給料は電話代で飛んでいきました。



しかしインターネット・エクスプローラは使いにくかった。少し複雑なページに飛ぶと、表示まで待たされるし、場合によってはそのまま固まってしまった。それに対し、Mosaicチームはネットスケープを公開。WindowsMacで走るフリーのブラウザです。そしてMicrosoft側はOSのバージョンアップごとにネットスケープが動かなくなるイジワルを開始。ネットスケープも追撃、インターネット・エクスプローラは独自拡張で反撃。そんな日々を繰り返しながらも、ネットスケープ社が経営難で倒産してしまいます。基幹がフリーソフトだから当然ですけど。
そして、ここから。ネットスケープのソースはオープン化します。Mozillaとして開発が続行。そこから出てきたブラウザがFirefoxメーラーThunderbirdです。2004年ですか。10年前。二つのブラウザがシノギを削り合うことで、HTMLが多彩で機能的になってきた。



漁夫の利を得たのがApple。2007年にiPhoneを出したときには「ネットも見れる携帯電話」に過ぎなかった。そんなに深く考えてなかった。iTunesStoreで音楽を売るのがメインだったから。けれど、AppStoreを出した時には、もう時代が見えていた。パソコンのブラウザでインターネットを見る時代は終わりかけている。ネット上のデータをアプリ越しに見る。「いつでも繋がること」の利点をiPhoneは理解していた。それがdocomoの「iアプリ」との違い。iアプリでは「クラウド・サービス」は出てこなかった。ミニゲームJavaで走らせ、お茶を濁しただけです。辞書サービスはあっても、使うごとにお金を取られた。じゃあ、誰も使わなくなる。AppStoreは、インターネットを分かりやすいものに変えた。機能を切り取って「アプリ」の形で見せた。ブラウザは、Googleで検索されないページには誰も行き着けない状況になっている。使いこなせない人には迷宮でしょう。
でも、AppStoreもアプリが増えすぎて、もはや同じ状況になってるけどね。