iPhoneを手帳にするなら「おまけ」があってもいいじゃないか

巻末付録を集めたおまけアプリ。


手帳のおまけ 1.0.1
分類: 辞書/辞典/その他,ライフスタイル
価格: 無料 (Dreams Come True Inc.)

紙の手帳を買ってくると、後ろのほうに書いてあるアレ。時候の挨拶があったり、年齢早見表があったり、郵便料金があったりするアレ。「おまけ」の部分です。いざというとき役立ちそうな、それでいてあまり活用の機会がない、とても微妙な情報がセレクトされている。手帳を作っている会社の個性が香り立つのがここ。iPhoneにはないんですよね。アメリカじゃあ、そういうことしないのかなあ。人間くささの出るところなのに。



ほら、分類を拒む雑学の塊。考えられる限りの「おまけ」が付いてます。ネットで調べても分かりそうだけど、検索するのも惜しい場面で度量衡の変換をしないといけないかもしれない。大正生まれの人の年齢を計算しないといけないかもしれない。何が起こるかわからないのがこの世界。人は手帳に全知全能を求めている。あらゆることを網羅し、のし袋の水引きに2タイプあって、どう使い分けるかまで書いてある。まさに古代、手帳はGoogleであった。ネット以前の時代では全てが手帳に収められていたのです。



その際たるものは何か考えてみました。これですね、「花言葉」。「手帳のおまけ」に欠かせない一品。昔の人は冠婚葬祭、いろんな場面で花を贈りあいました。花はそのまま言葉であり、メッセージを担っていたのです。相手のシチュエーションに合った花を贈ることで、言葉にならない想いを伝えた。ついでに五七五七七で和歌も付けた。平安時代なら和歌で、昭和だとメッセージカードを付けた。そのカードの言葉だけで判断してはいけない。花言葉とセットで解釈しないと真意を汲み取れないシステムになってました。奥ゆかしい文化ですね。花言葉の意味が一つとは決まってなくて、場合によっては矛盾もしているので、人々は手帳を見ながら「ああでもない、こうでもない」と苦悩したのです。



実用的なところでは路線図でしょうか。昔は東京と大阪をマスターすれば路線図に困ることはなかったのですが、今やどこに行っても地下鉄がある。外の風景を見ながら旅を楽しむことが許されなくなった。路線図が読めないと、どこで乗り換えればいいか分からず、延々と地下迷宮に閉じ込められる憂き目を見ます。手帳に路線図。生き残るために必要。
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今の時代、なぜスマホの普及率が日本で高いか。それは「電話」の延長ではなく「手帳」の延長だからです。文具屋さんで売れなくなっているのはシステム手帳じゃないかな。あと、手紙。年賀状も出さなくなった。手帳と手紙。この二つが融合しているのがスマホ