モバイルな読書メモにはTodoistを使うべし&Textwellも使うべし

昔は惜しげも無く本に直接書き込んでいたが、これだと検索ができない。なるほど、現代は電子書籍の時代である。Kindleのハイライト機能を使えばいいというのはわかる。でも専門書で、しかもすでに廃刊となった類を再読する際はこの方法が使えない。先人の熟考に含まれる、それまで注目されなかった概念を引き出し、現代における新たな意味を吹き込む。そうした作業においては別のツールが必要となる。


Todoist

Todoist: Todoリスト | タスク管理 11.3.4
分類: 仕事効率化,ビジネス
価格: 無料 (Doist)

TodoistはGTDを簡便にするアプリである。Get Things Done というわけだ。世の中の人は、するべきことが多く忙しいらしい。でも、どうしたわけか、僕自身には「タスク」がない。それで、GTDよりは Bullet Journal を参考にした使い方をしている。

Bullet Journal とは紙の手帳を用いた方法で、タスクも日記も閃きも一枚のページに収めてしまうメソッドである。書く場所を振り分けるのではなく、トピックの先頭につける記号によって機能分類する。最初に開くページを固定し、分類は後で構わない。

Todoistも同様の思想で扱っている。それはTodoリストであると同時に、その日あった出来事を綴る日記帳であり、歩きながら浮かんだことを書き留めるネタ帳にもなっている。「One place input」の原則を担っている。何しろ、通知センターから呼び出せるし、Safariの共有シートからも起動できる。記入までのステップ数が少ないのが魅力だ。

このTodoistに、いま取り組んでいる本の題名をプロジェクトとして書いておく。本を読みながら連想したことがあれば、ページ番号を先頭に「236 神に他動詞はない」と記入。時間があるときInboxからプロジェクトに移す。これを繰り返せば、自然と読書メモがプロジェクト直下に溜まっていく。並行して何冊か読む場合は、本の略号をタグ付けると良いだろう。タグ類は、iOSのユーザー辞書に読みを「ー」にして登録すると便利だ。


Textwell

Textwell 1.7.1
分類: 仕事効率化,ユーティリティ
価格: \360 (Sociomedia)

このブログではTextwellを推奨する。マニアックだと思う。読書メモをTodoistに書き溜めるとして、そのリストを取り出せなければ、そのメモは死に体である。けれどTodoist本体にその機能はない。するとWeb版の内部を解析することになる。

priority=1;
s=T.stdin.currentText;
if(s){
url="todoist://addtask?priority="+priority+"&content="+s;
T(url,{option:"cutCurrent"});
}else{
T.closelets([
{title: "List ",
fn: function(){
url=location.href;
if(/^https:\/\/m\.todoist\.com/.test(url)){
text="";
list=editor.querySelectorAll(".text");
for(i=0;i<list.length;i++) text+=" "+list[i].innerText;
}else{
text="<a href='"+url+"'>"+document.title+"</a>\n";
}
T("insert",{text:text})
}}],function(){location="https://m.todoist.com/app"});
}
Import Textwell ActionTodoist


使い方

基本はカーソル行をTodoistアプリに転送するアクション。ただしカーソル行が空行のときには内蔵ブラウザでm.todoist.comを開く。ログインすればTodoistが表示されるので、対象のプロジェクトを開きブラウザを閉じる。これでリストが取得される。

従来のTodoistアクションは、空白を挟んで日付指定をする方式だったが、今回は取りやめた。Todoistが日本語解析し自動で日付を入れるため、不要になったと判断したからである。それと、プロジェクトIDを読み込む機能も省略した。シンプル志向です。


まとめ

Textwellに取り込んだ読書メモは、少し手を加え、WorkFlowyに転送しておく。Amazonへのリンクを作り、CardyアクションでWorkFlowy に埋め込む。もちろん、読書メモはこれでは終わらない。メモした部分への、自分なりの考察や反論を書き込んでいくことで、その書籍が消化される。自分自身の血や肉となる。「美味しいものを食べてこその人生です」というハカセの言葉は正しい。

思うに「美味しいもの」は最初は辛い。1回目に読んだときは、まず理解できない。自分で理解できることであれば、それは既に知っていることだから、読み進めても「意味」はないだろう。「意味」は個人的である。自分自身に起こる変化が「意味」である。

なので、読書は諦めが肝心である。わからないまま最後まで目を通す。残る言葉と、残らない言葉がある。初めに書いた読書メモは役に立たない。自分の知っていることに近いことしか残らないからだ。二度目に読んで初めて、見てなかったところが見えてくる(中動態?)。素潜りと同じように、海中で目を開けてからが読書である。