THE NIGHT HAS A THOUSAND EYES - W&R : Jazzと読書の日々

花火大会の季節です。あちこちで、どーん、どかーん、と鳴ってます。天空が光ったあと、少し眼が眩んで、それから闇に目が慣れると、そこに一面の星空。

THE NIGHT HAS A THOUSAND EYES
1948 (Buddy Bernier / Jerry Brianin)

Don't whisper things to me you don't mean
For words down deep inside can be seen by the night
The night has a thousand eyes
And it knows a truthful heart from one that lies

その気がないなら、私にささやいたりしないで
どんなに秘めた言葉でも夜には暴かれるものよ
夜は千の眼を持っている
本心なのか口先だけなのか、夜はお見通しなの

浮いた話なら、昔はあったかもしれない
でも今は、君への愛が永遠に輝き続ける
星空のように明るく
千の眼を持つ不思議な、この夜のように

これまで、夢のように頼りない人生を歩いてきたの
でもいつか、こんな至福の時が訪れると知っていた
幸せと優しさに包まれた夜
千の眼が微笑みながら、私たちを見下ろしているわ

昼には一つの眼しかない。夜は千の眼を持っている。つまり、昼の空にあるのは太陽だけ。陰に隠れて悪さもできます。でも夜は、星々の「眼」が空から地上を見下ろしている。夜は、明るいところも暗いところも知っている。どんなウソも通用しない。だから、あなたの本当の気持ちを教えて。・・・あ、そっか。この歌は段落ごとに「女性ー男性ー女性」の会話形式になってるんだ。そう読んだほうが、おもしろい。

邦題『夜は千の眼を持つ』。陽気で明るいメロディで、ボサノバのリズムにとても合います。ジョン・ファロー監督、エドワード・Ｇ・ロビンソン主演のミステリー映画の主題歌（詳細不明）。また、19世紀にブーディロン(Francis William Bourdillon)というイギリスの詩人が「Light」という詩のなかで「The night has a thousand eyes, And the day but one」と書いています（元ネタはこれか）。それとアメリカのアイドル歌手ボビー・ヴィーがやはり「THE NIGHT HAS A THOUSAND EYES」というヒット曲を出していますが、これは違う曲みたい（カーペンターズもカバーしてるけど、邦題が『燃ゆる瞳』となっている）。なかなか謎深い曲です。

Straight Up with a Twist
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ボーカルで試聴できるアルバムが少ないけど、アメリカ西海岸で自主レーベルを出しているジャズ・シンガー、キティ・マーゴリスが試聴できます。力強い歌い方です。

Sweet Return
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フレディ・ハバートのトランペット。小気味よいテンポに繰り広げられるアドリブの波。前へ前へと迫り出してくる。素材を活かしながら、さらに上を行こうとするジャズの王道です。

Bossa Antigua
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ポール・デズモンドとジム・ホール。お二人とも名人なのに控えめ。その人柄が現れている、柔らかな感じのボサノヴァです。「夜千」のサックスと言えばソニー・ロリンズやコルトレーンのほうが名演なのだろうけど、個人的にはこのデズモンドさんがお気に入り。

夜は千の目を持つ
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『夜は千の目を持つ』。映画の原作であるミステリー。アメリカの推理小説家ウィリアム・アイリッシュの作品ですが、この人、「コーネル・ウールリッチ」（これが本名らしい）や「ジョージ・ホプリー」といった別のペンネームも持ってます。

タイトル・クリックのmp3はJazz Art Studioの生徒さんらのサンプルです。