NIGHT IN TUNISIA

終戦記念日が近づいてきています。「記念」というのがウソっぽいですね。「終戦の日」です。それは恥ずべき過去ではなく、背負うべき歴史。同じ過ちを繰り返さないために。


NIGHT IN TUNISIA
1942(Ella Fitzgerald / Dizzy Gillespie) Laura Pigozzi


The moon is the same moon above you
Aglow with its cool evening light


いずこにおいても月は月
涼しき夕べの光を放つ
されどチュニジアの夜の
月の輝きほど明きはなし


星も天を満たし輝けれど
賢者のみぞ知る
チュニジアに輝く星々は
迷ふ汝を砂漠から導かん


言葉にすれば過てる
語るも難き異国の話
歴史長きその国は
夜毎に夜の深くなる


一日の憂ひを消し去りて
暮れて平安をもたらしぬ
不可思議なチュニジア
夜は安らぎに満ちたりぬ


邦題『チュニジアの夜』。1942年ディジー・ガレスピーが作曲。アール・ハイネス・バンドと共演した。1946年にエラ・フィッツジェラルドが自ら作詞して歌った。歌詞にはいくつかバリエーションがあり、サラ・ヴォーン「Interlude」マントラ「Another Night in Tunisia」もこの曲である。
1946年は第二次大戦が終わった翌年で、黒人の人権意識が高まり出した頃である。戦争でたくさんの黒人兵が亡くなった。危険な任務ほど黒人に任されながら、手柄は白人将校が持っていった。黒人は自分たちの帰る場所として「アフリカ」を考え始めるようになった。チュニジアとはその「魂の故郷」のイメージである。


Town Hall, New York City, June 22, 1945
Town Hall, New York City, June 22, 1945Dizzy Gillespie

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star入門盤であり永久盤です!
starガレスピーとの相乗効果も効いています。
star60年前・・・

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ジャズが、白人がダンスホールで踊るための音楽になってしまった頃、「違うだろ? あれはオレたちの音楽だ。オレたちの手で取り戻せ」という運動がビ・バップです。その代表的な二人、バード&ディズ。まだ戦時中ですが、アメリカ国内で「内戦」が始まります。黒人の独立戦争と言う「内戦」が。


Clap Hands, Here Comes Charlie!
Clap Hands, Here Comes Charlie!Ella Fitzgerald

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上のバードの演奏を聴いてエラさんはこの歌詞を書いたそうです。


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The Musings of MilesMiles Davis

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star『ギャル・イン・キャリコ』の入ったマイルス・デイビス

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マイルスもバードのもとでトランペットを吹いてたから、独立してしばらく「チュニジアの夜」を十八番にしていました。コルトレーンに出会う前なので、トランペットで一人頑張ってます。



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starハード・バップの着火となった歴史的ライブ
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star古い録音だけど意外と音質がいい

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バードを超え、「チュニジアの夜」の基本形となる「バードランドの夜」。ビ・バップが、アート・ブレイキーの手によってハード・バップと変わる瞬間。クリフォード・ブラウンのトランペットが格好良すぎ。ウェイン・ショーターが参加してからのアルバムも聴いてみてください。