GOING HOME

とーぉきー山にー 日ぃはおーちてー♪ 秋の夕暮れって感じですね。立冬を過ぎたから、もう冬なのかも知れないけれど。


GOING HOME
1893(William Arms Fisher / Antonin Dvorak) Mister Dan McCafferty


Goin' home, goin' home
I'm just goin' home


帰ろう帰ろう、故郷に帰ろう
静かなる日に、故郷に帰ろう


そこは遠くなく、身近な存在
そこへの扉は開いている
充分働いた、終わりにしよう
恐れも哀しみももう要らない


友もそこにいる、待っている
エス様も待っておられる
あの人の微笑みと手を見よう
彼がそこに導いてくれるから


明けの明星がその道を照らす
悪夢に苦しむことはない
闇は過ぎ去り、朝日が訪れる
真の命が始まろうとしている


これまでの涙は拭い去られた
痛みも病いもそこにはない
エス様と共に目を覚まそう
安らかな日々がこれから続く


帰ろう帰ろう、故郷に帰ろう
光を見よう、日差しを見よう
僕は、生まれたところに帰る


邦題『家路』。訳してびっくり。どこに帰るのかと思ったら、「天国」じゃないですか。これは、死につつある人の歌。黒人霊歌です。「死」というのは、自分の命がやってきたところ(つまり、神の身許)にただ帰ること。神様から任された仕事を、僕は充分に果たしてきた。ほんと、自分の人生にごくろうさま。
原曲はドヴォルザーク交響曲第9番ホ短調新世界より』。1892年ドヴォルザークアメリカに音楽を教えに来て、そのとき黒人音楽に刺激されて、これを作曲した。故郷のボヘミアに帰る日を夢見て作ったらしい。初演は1893年12月16日カーネギー・ホールで。歌詞のほうは、ドヴォルザークが務めた音楽学校の教師フィッシャーが付けたもの。いくつかバリエーションがある。ちなみに日本では『遠き山に日は落ちて』(堀内敬三作詞)と『家路』(野上彰作詞)の2つが有名。


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Live at Carnegie Hall: May 9, 1958Paul Robeson

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地獄の底から鳴り響くポール・ロブスン。黒人の権利を訴えたため、1950年からパスポートの発行を拒否されていた。60歳になってやっと権利が回復し、イギリス移住を決意したカーネギー・ホール公演。故郷を捨てる男の「家路」です。試聴はこちら


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えーー?? なんでアマゾンでの評価は低いの? 僕は好きですよ、このアルバム。ビル・フリーゼルの淡白なギター、ヒューストン・パースンの温かなサックス。そして随所を押さえるカーターさんのベース。このアルバムをiPodに入れてますよ。


Going Home
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なんでビル・メイズにしようと思ったんだっけ? ピアノ・トリオで、手堅くまとめるタイプの人が果敢に勝負を挑んでいる、から? 生きてるうちは、手垢の付いた常套句で無難に過ごすより、やっぱり自分の全てを活かそうとチャレンジしなくちゃ。まだまだ自分のなかに宝物は隠れているハズ。