THE MAN I LOVE

iPod touchの新型は発表されず、出てきたのはMacBookの新型でした。CPUが上がっただけ。SDKはどうなってるんだろう?


THE MAN I LOVE
1924(Ira & George Gershwin) David Leohardt


Someday he'll come along
The man I love
And he'll be big and strong
The man I Iove


いつかやって来る、私の愛する人
彼はきっと背が高くてたくましい人
彼がやって来たなら、いつまでも
私の側にいてくれるように頑張るわ


その人と目が合ったなら気づくはず
すぐ彼も私の手を握ってくれるはず
馬鹿げた考えかも知れないけれど
二人の間にはきっと言葉も要らない


たぶん彼に出会えるのは日曜日
それか月曜日か、ああ違うかな
でも必ずいつかは出会えるはず
火曜日が素敵な日になるのかも


二人に似合いの小さなお家を建てて
そこからどこにも出掛けて行かない
だから、それには今は何よりも
その人を待ちながら過ごしているの


お嬢さん、もう水曜日ですよ。火曜日は過ぎてしまいました。残念でしたね。でも幸い、来週も火曜日はあります。来週がムリでも、さ来週があります。焦らなくても大丈夫。きっと現れますよ、あなたの愛する人。それとも、もう出会ってるのかもしれません。ただご自分では気づいておられないだけのことで。
邦題『私の彼氏』。1924年ミュージカル『レディ・ビー・グッド』用にガーシュウィン兄弟が書いた。でもロード・ショーのとき使われただけで、ブロードウェイ公演では採用されず。1927年『ストライク・アップ・ザ・バンド』に再登場し、チーズ工場主の娘ジョーンが「私は進んで戦いに行く男が好きよ!」と言い、新聞記者のジムに「そんな男がどこにいる?」と尋ねられて歌う。でも1930年版ではこの曲はなく、「Soon」に差し替えられている。コード進行が変わっているので、歌いにくかったらしい。チャンスを活かせなかった、ちょっと不幸な曲。それでも今やスタンダード。



Glory of Gershwin
Glory of GershwinGeorge Gershwin

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star単なるポップ・スターの起用は下手な事

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『ライラの冒険 - 黄金の羅針盤』で主題歌を歌っているケイト・ブッシュ。ケイトはビリー・ホリディジョニ・ミッチェルに憧れて音楽に進んだという。デビューアルバム『嵐が丘』エミリー・ブロンテの小説をモチーフにしているし、1993年『レッド・シューズ』アンデルセンの「赤い靴」や映画『レッド・シューズ』にインスパイアされたものと思われる。独特の歌い声と世界観をもったイギリスのアーチスト。


Gershwin's World
Gershwin's WorldHerbie Hancock

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starHerbie Hancock流のGershwin解釈

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ジョニ・ミッチェルの「私の彼」なら是非これを。ハービー・ハンコックのアルバムですが、ジョニ・ミッチェルも参加しています。ピアニストにとって「ガーシュウィン」は乗り越えるべき壁。登山家がエベレストを目指すかの如く、ハンコックもこの巨匠の再解釈に挑んでいます。あれ? ハンコックは今年のグラミー賞『River: The Joni Letters』で受賞してたんですね。こちらはジョニ・ミッチェル自身も参加したジョニ・ミッチェル作品集。


Miles Davis and the Modern Jazz Giants
Miles Davis and the Modern Jazz GiantsMiles Davis

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star失敗テイクの予感さえするスリリングな「喧嘩セッション」
starハードバップ・マイルスとモード・マイルスの聴き比べに絶好
starハードバップ・マイルスとモード・マイルスの聴き比べに絶好

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「私の彼」で有名なのがこのクリスマス・セッション。マイルス・デイヴィスとMJQの1954年共演アルバムですが、ピアノがセロニアス・モンク。マイルスはモンクのピアノに対して「オレのソロのときにピアノを弾くな」と注文をつける。そして始まる「私の彼」。マイルスのソロの間、演奏をピタッと止めるモンク。しかもソロが終わっても、ピアノが始まらない。緊張感が走る演奏です。もっとも二人とも、それを「演出」と捉えていたようですが。同日の他の曲は『Bags Groove』にも収められています。ただ、モンクはその後マイルスと共演することはなく、引退するときまで「私の彼」を弾き続けているので、やっぱり腹立ててたのかな。


Gershwin for Lovers
Gershwin for LoversMarcus Roberts

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star完成度高いアルバム

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そういうわけで、ピアニストなら誰でも登ろう「ガーシュウィン」。ウィントン・マルサリス・グループのピアニスト、マーカス・ロバーツも挑戦しています。1963年生まれ。少年時代に失明しながらも、セロニアス・モンクに憧れピアノを始め、今やモンクの正統継承者と呼ばれる人。モンクばりのストライド奏法を駆使しながら、そこをクールにまとめています。


Zoot Sims and the Gershwin Brothers
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starこれがジャズっていうもんだ
star小粋なガーシュインの世界

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別にガーシュウィンはピアニストだけの目標ではありません。テナーサックスでもこれこの通り。ピアノがオスカー・ピーターソンで、軽快に踊り出してスイングし始めます。大人しく待ってるような歌じゃない。しかもギターはジョー・パスジョー・パスには、ギター一本だけで「私の彼」を奏でた彼のアルバム『Virtuoso No.4』もあります。このメンバーで、以心伝心、ガーシュウィンの曲の楽しさを引き出しています。