CRAZY HE CALLS ME

良い天気だなあ、と散歩していたら、突然の突風。しかもそれが吹雪に変わってしまい、鼻がもげそうでした。


CRAZY HE CALLS ME
1949(Carl Sigman / Sidney Keith Russell) Charmin Michelle


I say I'll move the mountains
And I'll move the mountains
If he wants them out of the way


私は山を動かすと宣言したなら
(山が彼の邪魔をしていたら)
ホントに山を動かしてみせます
「お前は変だよ」と言われます
たぶん、私は変になっています
これは恋をしてるからでしょう


火をくぐり抜けると言ったなら
私は火をくぐり抜けてみせます
あの人が望むなら何でもします
彼は「変なヤツだ」と笑うけど
確かに、私は変になっています
だって、恋をしているのだから


木々の梢を揺らす風のように
彼の笑顔は私を揺らしました
どんな困難も今すぐやります
ムリなことは時間かかるけど


私の「いつまでも好きです」は
たとえ大空が落ちてこようとも
それを支えての「いつまでも」
彼は「変なヤツだ」と笑います
ええ、どうせ私は変なんですよ
恋してるのだから仕方ないです


私は、やるときはやる女。武士(?)に二言はありません。そんな女の心意気を歌った、ちょっとコミカルな歌。「ムリなことだと、少しだけ時間がかかります」というのも微笑ましいです。ムリなことは、時間かけてもムリだと思うけど、そんなことでへこたれてたら、恋の道は成就しないのかな。彼女のことを「crazy」なんて言ったら可哀想だよ。
ジョニー・マーサーに見出され、戦前はグレン・ミラー楽団の曲を書きながらも、戦争が終わり除隊してみると無一文だったカール・シグマン。海外の曲に訳詞を付ける仕事で細々と暮らしていた(「カーニバルの朝」にも詩を付けている)。その彼のオリジナル作品が注目され始めたのがこの曲あたりから。ビリー・ホリディが吹き込んでヒット。もっともシグマンが書いたのは男性の曲で「Crazy She Calls Me」。それをビリーが女性に置き換え歌ったことで、独特の切なさを帯びるようになった。

グラナダ・ビッグバンドの演奏。ポルトガル語では「Louca Me Chamam」という題になってます。


Dinah Jams
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star暑い夏を吹き飛ばすダイナの歌声

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ビリーに匹敵するのがダイナ・ワシントン。しかもこの演奏はクリフォード・ブラウンマックス・ローチの名コンビが参加。クラーク・テリーやメイナード・ファーガソンの先輩トランぺッター相手に引けを取らない。ボーカルとインストでジャズを二倍楽しめます。


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starベーカーの休日ではないよ

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チェット・ベイカーが、ビリー・ホリディに捧げたアルバム。「Crazy He Calls Me」も彼女のイメージなのでしょう。フリューゲル・ホルンでの演奏。でもこの曲はチェットに歌ってほしかった、というのが本音かな。「やるときはやります」は彼には向いてないか。


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おじゃる・・・じゃなくて、アーマッド・ジャマルの独創的なピアノ。しっとりした演奏なんですが、とても粒の立った鍵盤で力強い。「やると言ったらやるよ」という狂気がほとばしっています。


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チャーリー・パーカーに憧れ、バードを引く継ぐ形でバップ・シーンに現れたフランク・モーガン。バードと同じようにヘロイン中毒で演奏できなかった時期もあるけれど、頑なまでにバード・スタイルのアルトを吹き続け、去年の12月14日に天国に召されました。「Crazy He Calls Me」はバードも演奏したことがあるらしく、そのイメージをさらに膨らませての演奏です。ピアノには名人ロニー・マシューズが付いてます。