SOON

良いお天気。ぽかぽかして、春は遠からじ。


SOON
1930(Ira & George Gershwin) Stephanie Nakasian


Soon the lonely nights will be ended
Soon two hearts as one will be blended


(男性)
もうすぐ独りぼっちの夜が終わる
二つの心が一つに結ばれる
待ちつづけてきた幸せを見つけた
僕の運命が繋ぐただ一人のひとよ


ああ、すぐに小さな家が僕たちを
全ての悩みから守ってくれる


(女性)
もうすぐあなたの孤独は癒される
あなたのために私がいるから
いつでもどこでもどんな天気でも
あなたの傍で見守っていましょう


もうすぐ小さな舟で家に帰り着く
どんな嵐にも沈みはしない


(二人で)
この世で結ばれる日がすぐ訪れる
早くその日がやって来ますように


もうすぐ「いい日」がやって来る。男声パートと女声パートにわかれて、掛け合いで歌う構成になってます。相思相愛なんだから「もうすぐ」じゃなくて、「もうすでに」幸せなんじゃないかと思いますけどね。
モリー・リスキンド脚本のミュージカル『Strike Up The Band』の挿入歌。このミュージカルは1927年にフィラデルフィアで公開されたが、1930年にブロードウェイで上演されるとき脚本をリスキンド自身が書き直している。1927年版ではチーズの独占を巡り、アメリカとスイスが戦争しそうになる話だったが、1930年版ではチョコレート工場での甘いロマンスになっている。そのときガーシュウィン兄弟も曲目を見直して、「私の彼」の代わりに使ったのがこの「Soon」。ジェリー・ゴフとヘレン・ギリガンが歌った。1940年にジュディ・ガーランド主演で映画化されているが、ストーリは別もの。「Soon」も使われていない。

1987年。ガーシュウィン没後50周年として、ボブ・ディランが歌ってます。


Pure Ella
Pure EllaElla Fitzgerald

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starElla Sings Gershwin & Songs in a Mellow Mood

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エラさんが1950年に出した「ガーシュウィン名曲集」の復刻版。バックは、エリス・ラーキンスのピアノだけです。でもアイラ兄貴が聴いて「僕たちの曲がこんなに素晴らしいとは知らなかった」と感嘆したほど。エラさんには、ネルソン・リドルと組んだオーケストラ盤もあります。どちらが良いでしょう?


Trio Live from Chicago
Trio Live from ChicagoOscar Peterson

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star非常に素晴らしい

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1960年シカゴ。それまでギターを担ってきたハーブ・エリスが1958年に脱退し、ギターの代わりにドラムを採用。エド・シグペン加入によって、オスカー・ピーターソンに新しい境地が開けました。それが『オスカー・ピーターソン・トリオの真髄』。でも、名盤とされながら、実は5曲も削られていたことが判明。その中の一つが「Soon」。新メンバーで荒波へと航海する気合いが入ってます。


Them Dirty Blues
Them Dirty BluesCannonball Adderley

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star最高傑作

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1960年シカゴからニューヨークへ。キャノンボールとナットのアダレイ兄弟がガーシュウィン兄弟の「Soon」を演奏。なにしろキャピトル・レコードへの移籍を「もうすぐ」控えての録音で、ピアノで参加のボビー・ティモンズも陽気に騒いでます。キャピトルも、わざわざこの原盤を買い取ったんだそうな。


Like Minds
Like MindsGary Burton

Concord Jazz 1998-11-03
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starこれは必聴盤
starパットメセニーが主役
starパット・メセニーのアルバムとして聴くべき一作

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1998年ニューヨーク。パット・メセニーが恩師ゲイリー・バートンを誘い、チック・コリアにも参加してもらって作ったアルバム。3人のオリジナル曲で構成されているものの、一曲だけスタンダードが入っています。それが「Soon」。もしかしたらメセニーが13歳のとき、バートンの楽屋に飛び込んで披露した曲の一つかも知れません(わからないけど)。このアルバムは翌年グラミー賞を受賞しました。