CHEROKEE

夏が過ぎていきます。


CHEROKEE
1938(Ray Noble) Giuliano Ligabue


Sweet Indian maiden
Since I first met you
I can't forget you
Cherokee, sweetheart


可愛いインディアンの娘
君を一目見たときから
僕は君を忘れられない
かけがえのない僕の恋人


大草原の子どもである君
君の声が呼んでいるよ
僕の心が打ち震えるよ
チェロキー族の愛しい娘


君と過ごした日々
夏の夢が過ぎ去っていく
思い出はとても優しくて
僕は溜め息をつく


可愛いインディアンの娘
必ず僕は戻ってくるよ
君を抱きしめるために
それまで待ってておくれ


チェロキー族はアメリカの先住民。早くから文明化を受け入れ、1794年に合衆国との間に休戦条約を結んでいた。19世紀半ばのゴールド・ラッシュのせいで南部のチェロキー族はオクラホマ強制移住させられたけれど、東部に住んでいたチェロキー族は比較的安泰で、この歌のように白人との間でも友好関係を保っていたようです。とはいえ、「僕」は遠いイギリスの人だからなあ。イギリスに帰ってからも、ちゃんと約束を覚えてたかな?
1938年イギリスのレイ・ノーブルが、アメリカ先住民の民謡をもとに作詞作曲した楽曲の一つ。イロコイ族やスー族の歌もある。アメリカ本土では先住民への差別はあっても、イギリスまで来るとその差別感は薄まり、むしろ素朴さへの憧れが出てくる。この曲を大胆にもアメリカに逆輸入したのがサックス奏者チャーリー・バーネット。自分の楽団のビリー・メイに編曲させ、アップテンポのインスト曲としてレコード化したところ大ヒット。バーネット楽団のテーマ曲として使われるようになった。


ビレリのチェロキー。速弾きなんてもんじゃないよ。


At the Finale Club and More
At the Finale Club and MoreCharlie Parker

Rare Live 2008-08-20
売り上げランキング : 47388

おすすめ平均 star
star15-17は1946年のラジオ番組の企画もの

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
「チェロキー」をビバップの代表曲に押し上げたのがチャーリー・パーカー。バードのお母さんはアメリカ先住民の血を引いている人なので、この曲は母親に捧げたもの。1946年ライブ盤。マイルス・デイヴィスケニー・ドーハムが参加し、ピアノはナット・キング・コールという異色もの。チャーリー・パーカー - Charlie Parker Selected Favorites, Vol. 4 - Cherokee (Broadcast)


ザ・ヴォイス・オブ・シックスティーズ(紙ジャケット仕様)
ザ・ヴォイス・オブ・シックスティーズ(紙ジャケット仕様)ジョニー・ソマーズ

インディペンデントレーベル 2005-12-21
売り上げランキング : 132324


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
夏だからサマー、ではなくソマーズ。60年代を代表するアイドルですが、そのハスキーな張りのある声でジャズ・シンガーとしても名を挙げていきます。白人シンガーで「チェロキー」を取り上げているのはこの人くらいか。ニューヨークからカリフォルニアに移住せざるを得なかった、貧しい子ども時代の体験があるかも知れません。「チェロキー」のドラムは、ウェストコースト・ジャズの旗艦シェリー・マンリッチー・カミューカラス・フリーマンという豪華なメンバーがサポートしてます。Joanie Sommers - Look Out! It's Joanie Sommers - Cherokee


Jazz Giant
Jazz GiantBud Powell

Verve 2001-02-06
売り上げランキング : 128112

おすすめ平均 star
starバドが好きだ。
starBud Powellの最高傑作
starパウエルの凄さを思い知る1枚!

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ピアノでビバップするならバド・パウエル。1950年、病院でデトックスも済んで意識鮮明。思いのまま指は鍵盤を駆け巡ってます。ベースがレイ・ブラウンでドラムがマックス・ローチ。演奏に一点の隙も残さない。特にマックス・ローチアメリカ先住民の血を引く人。「チェロキー」の太鼓は自らのルーツを主張しています。Bud Powell - Jazz Giant - Cherokee


Clifford Brown Memorial Album
Clifford Brown Memorial AlbumClifford Brown

Toshiba EMI 2001-07-31
売り上げランキング : 59147

おすすめ平均 star
starTWO IN ONEでシャンプーみたいな作品ですが(笑)

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
トランペットならクリフォード・ブラウンで。マックス・ローチと組んだ『Study In』の「チェロキー」もありですが、ここではアート・ブレイキーのドラム。1953年のブラウニーはまだ無名の新人。アート・ブレイキーも「ちょっと使ってみよう」くらいの気持ちだったかも知れません。でもこの演奏なら惚れ込むでしょう。ライオネル・ハンプトン楽団との契約が切れるのを待ってジャズ・メッセンジャーズに引き込み、歴史的名盤『バードランドの夜』が生まれます。Clifford Brown - Memorial Album (The Rudy Van Gelder Edition Remastered) - Cherokee