RIVER

寒い寒い。どこか暖かいところに移住したい。


RIVER
1970(Joni Mitchell) Allison Crowe


It’s coming on Christmas
They’re cutting down trees


クリスマスの日がやって来る
人々はもみの木を切り倒して
トナカイの人形を飾っている
喜びと平和の唄を歌いながら


でもここでは雪も降らなくて
いまだに緑が眩く残っている
お金をもっとたくさん稼いで
このバカげた光景を去りたい


どこかに氷の川があったなら
スケートで故郷に帰れるのに
どこかに氷の川があったなら
二つの足で飛んでいけるのに


でも私は、とても大切な人に
悲しい想いをさせてしまった


彼は私を救おうとしてくれた
彼といると私は素直になれた
いたずらっぽく無邪気な人で
それが私の気持ちを鈍らせた


私は気難しく自分勝手な人間
いつも心に淋しさを抱いてる
私は彼と別れることに決めた
あんな素敵な人はいないのに


そして私はとても大切な人に
さよならを言わせてしまった


華やかな都会に憧れて、寒い北国から出てきたけれど、クリスマスの季節になると思い出す。優しかった彼のことを。なぜあの人を捨てて、こんなところに来たのだろう? 私はここで何をしてるんだろう? もし氷の張った川があったなら、昔みたいにスケート靴を履いて、滑りながら故郷に戻りたい。でも、ここにはそんな「川」はない。帰りたくても、帰れない。逢いたくても、会わせる顔がない。
1971年ジョニ・ミッチェルが発表した曲(英語の歌詞は彼女のオフィシャル・サイトにある)。カナダ生まれのシンガー・ソングライターで、1970年『青春の光と影(Clouds)』グラミー賞を獲得。ウェイン・ショーターやジャコ・パトリアスとも親交があり、1979年にはチャールズ・ミンガスの死を彼らと悼む『Mingus』を発表している。「リヴァー」はカリフォルニアに住んでいたとき、故郷のカナダを思い書いた曲。確かにカリフォルニアの暑い12月は「バカげた光景」かも。



リヴァー~ジョニ・ミッチェルへのオマージュ
リヴァー~ジョニ・ミッチェルへのオマージュハービー・ハンコック

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starTina Turner 万歳 !!
starおめでとう!ハービー!!
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2008年グラミー賞受賞アルバム。ハンコックとウェイン・ショーターの大御所二人が息の合った演奏をしています。透き徹るピアノ。歌はイギリスのコリーヌ・ベイリー・レイ。2006年にデビューして「Put Your Records On」グラミー賞にノミネートされた新人シンガー・ソングライターです。


ブルー
ブルージョニ・ミッチェル

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star今すぐ聞かんと損です
star内容は素晴らしい

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1971年「リヴァー」が収録された『Blue』。フォーク・ソングの時代が終わり、シンガーソングライター時代の幕開けを象徴するアルバム。社会に向けたメッセージ性は薄まり、私小説的な内面描写へと大衆音楽が変わり始めました。都会に住む若者の空虚感と生きにくさを言葉にするという点でジョニ・ミッチェルは一歩抜きん出ている。イントロの「ジングル・ベル」が懐かしい昔に心を誘って、そこから唄が始まります。


James Taylor at Christmas
James Taylor at ChristmasJames Taylor

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starホリデイアルバムの最高傑作
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上の『Blue』にギター参加していたジェイムズ・テイラー。彼自身も同年「君の友だち」グラミー賞を獲っています。そして35年経った2006年、明るくて味わいのあるクリスマスソング集を出しました。ゲストも豪華にナタリー・コール、クリス・ボッチ、トゥーツ・シールマンス。レゲエ風の「ジングル・ベル」も聴きどころ。


Bridges
BridgesDianne Reeves

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starまさにmother earthです!!

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あと、ダイアン・リーヴスさんのこれ。サックスにケニー・ギャレット、ドラムにブライアン・ブレイドが参加していて、旬のジャズを聴かせてくれます。パワーはあるけど繊細で、温かみがあって懐が深い。