WHAT A WONDERFUL WORLD

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WHAT A WONDERFUL WORLD
1967(George Douglas & George Weiss) Carl Marsh


I see trees of green, red roses too
I see them bloom for me and you


木々は緑、薔薇は紅。私たちのために花開く
私は思う、「なんて素晴らしい世界だろう」


空は青、雲は白。光り輝く昼に、厳かなる夜
私は思う、「なんて素晴らしい世界だろう」


空に虹が架かると、人々の顔を美しく照らす
友人たちは握手しながら挨拶を交わしている
「元気?」の言葉は「愛してる」の言い換え


今泣く赤児も、やがては私の知る以上を知る
私は思う、「なんて素晴らしい世界だろう」


なんて素晴らしい世界に私たちは住んでいるんだろう。やっぱりそう思う。忘れてしまいがちだけれど、改めてそう思います(前回分はこちら)。
邦題『この素晴らしき世界』。作詞作曲のジョージ・ダグラスはインパルス・レコード社長ロバート・シールのペンネーム。彼は長引くベトナム戦争を嘆き、「きらきら星」を基にこの曲を作った。翌年ルイ・アームストロングサッチモ)がレコード化し、全英1位を獲得。しかし、肝心なアメリカでは、年間チャートの100位にも入らなかった。それでもジャズでは、スタンダードとして歌い継がれている。


For the Love of Music
For the Love of MusicLionel Hampton

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1995年ライオネル・ハンプトン77歳のときのアルバム。ヴィブラフォンの第一人者だけど、ここでは唄を歌ってます。ライオネル・ハンプトンヴィブラフォンを勧めたのがサッチモ。22歳サッチモのバンドに参加の際「ジャズにこの楽器も使えるんじゃないか?」と言われ、それを生涯の課題として生きてきた。だから人生を振り返ったとき、この「素晴らしき世界」を歌ってみたかったんだろうなあ。


Night Beat
Night BeatHank Crawford

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レイ・チャールズやBBキング、エリック・クラプトンのサイドメンだったハンク・クロフォード。ジャズでもブルースでもない、澄んだ、揺れる独特のフレージング。デヴィッド・サンボーンが「私が一番影響を受けた人」として名を挙げているのも頷けます。1989年は54歳。育ってくる若手たちが、自分の切り開いた道を受け継いでいってくれる。それもまた、素晴らしき世界。



Live at Blues Alley
Live at Blues AlleyEva Cassidy

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「魂が籠っている」という表現は少し安っぽく聞こえるけれど、やっぱり「魂が籠っている歌」というものはあります。エヴァ・キャシディ。1996年、癌で亡くなる前のライブ。この歌声は響きます。自分ならではの歌い方を探し続けた人だから、それが誰の心にも届く。この世界の素晴らしさ、それが伝わってくる。


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For LouisCharlie Byrd

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starチャーリーバードも、さることながら

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ルイ・アームストロングに捧げるアルバム。実はチャーリー・バードは、このCDが発売される前に74年間の人生を閉じています。調べてみたけれど、バードとサッチモの接点は分かりませんでした。でもトランペットのジョー・ワイルダー。大ベテランのワイルダーですが、彼はまだ10代の頃にラジオ番組のバックバンドをしていて、そのときサッチモからトランペットを習ってます。受け継いだものを、更に磨いて次の世代に託していく。「世界」は、そうした大きな時間の流れを背後に秘めています。