MY FUNNY VALENTINE

バレンタインにバレンタイン(前回分はこちら)。


MY FUNNY VALENTINE
1937(Lorenz Hart / Richard Rodgers) Bernadette Seacrest


My funny Valentine, sweet comic Valentine
You make me smile with my heart


私の超ヘンテコなバレンタイン
おもしろかわいいバレンタイン
見てると心から微笑んでしまう


っていうか、笑っちゃうのよね
全然写真向きじゃないというか
でもそこがゲージュツ的に好き


ギリシア彫刻にはほど遠い体型
ちょっと締まりの弱そうな口元
その口が開き何か話し始めると
思ってしまう、あんた、バカ?


髪一本、変えたりしないでよね
もし私のこと好きなら絶対ダメ
ずっとそのままのあなたでいて
そしたら、毎日がバレンタイン


元祖ツンデレ。歌詞を見れば「素顔のままで」の本歌だと分かりますね。でも、こき下ろしかたが違う。ひどすぎます。恋人なのに、携帯の待ち受けにしてくれないってことですか。体型がメタボってことですか。髪一本変えるな、ってムリです。これは減っていってしまうものなんです!
1937年ミュージカル 『青春一座(Babes in Arms)』の挿入歌。田舎に住む若者が、幼馴染みとともに都会に出て、演劇で一旗揚げる話。主人公の名前がバレンタイン・ホワイトで、彼に向けてヒロインのミッツィ・グリーンが歌った。ロジャーズ&ハートのコンビが初めて台本を手掛けたミュージカルで、ストーリーにも二人の演劇への意気込みが感じられる。1939年ジュディ・ガーランド主演で映画化されている。



Chet Baker in Tokyo
Chet Baker in TokyoChet Baker

Evidence 1996-08-13
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おすすめ平均 star
star初心者でも楽しめる大傑作ライブ盤
staralmost blue s
starチェットは最高

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前回は若い頃のチェットだったので、今回は晩年。1987年東京ライブ。悪口のオンパレードな曲も、このしんみりしたメロディがあってこそ奥深いものになる。ボロボロになった身体に、音楽の神が降りてくる瞬間。


My Funny Valentine
My Funny ValentineMiles Davis

Sony/BMG Japan 2005-02-01
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おすすめ平均 star
starマイルス・センチメンタリズムの真骨頂
starイエーーイ
starもっとも脂の乗ったマイルス

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同じトランペットでマイルス・デイヴィス。「マイ・ファニー・バレンタイン」は1956年『クッキン』でも取り上げてますが、こちらはさらにじっくりコトコト煮込んだ1962年ニューヨーク・ライブ。音数が絞り込まれて、まろやかになっている。「若手」のハービー・ハンコックロン・カーターを引き連れ、帝王の貫禄を見せています。


Undercurrent
UndercurrentBill Evans

Blue Note Records 2002-06-13
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おすすめ平均 star
starインタープレイの原質を鋭く記録した名演
star一番好きなジャズアルバム
starデュオの傑作 これにあり

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スコット・ラファロを失ったエヴァンスを、ジム・ホールが救い上げた一作。1962年、目まぐるしいテンポで駆け抜ける「マイ・ファニー・バレンタイン」。どっちが主役か分からないインタープレイの駆引き。でも特に、ジム・ホールが煽るようにバッキングをかき鳴らし、それに応えてエヴァンスのピアノが高みへと上昇していくところが好きです。



Still Live
Still LiveKeith Jarrett Trio with Gary Peacock and Jack De Johnette

Polygram 2000-06-06
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starどの曲もキースのメロディにあふれる
starキースもトリオも最高
star美しい!

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最後も定番になってしまった。キースの場合は、この1986年ミュンヘン・ライブと1996年東京ライブで聞き比べ出来ます。とにかく、テーマはどこ行ったんだ?な構成。でもよく聴くと、かすかにメロディにかすってるんですよね。テーマは心の中にあるんでしょう。唄の情感のほうがピアノで表現され、それが美しい響きとなっています。