HARVEST MOON - W&R : Jazzと読書の日々

今度の水曜日が中秋の名月。

HARVEST MOON
1992(Neil Young & Ben Harper) Side by Side

Come a little bit closer
Hear what I have to say

こちらにおいで、僕の言うことを聞いて
子どものようにこの夜を眠って過ごそう

でも丸いお月さまの下、踊るのも良いね
音楽が聞こえるし、外で夜を感じようか

だって僕は君が好きで、踊る君が好きで
この収穫月に照らされる君が好きなんだ

知り合う前は君のこと遠くから見ていた
恋人だったころは君のこと心から愛した

でも時の流れは速く、夜も更け月が高い
この月が君の瞳に輝くのを見てみたいな

だって僕は君が好きで、踊る君が好きで
この収穫月に照らされる君が好きなんだ

なぜ「When we were lovers」が過去形かな、と考えたら、もう恋人じゃないからですね。それよりも深い。「But now it's gettin' late」のところで夜も更けたことと、お互い年齢を重ねてきたこととが掛けてある。長く連れ添ってきた奥さんに「デート」を申し込んでる。そして「月も高くなったし」なんて誤魔化しているあたりが、このオジサン、かわいい。収穫月（ハーベスト・ムーン）とは秋分の満月のこと。そして、人生後半の円熟を迎える時期のこと。
1992年カナダのシンガー・ソングライター、ニール・ヤングが発表した曲。1972年に出したソロ・アルバム『ハーベスト』から20年、そのときバックを務めたストレイ・ゲイターズの面々が集まりレコード化したのが『ハーベスト・ムーン』。コーラスも同じジェイムス・テイラーとリンダ・ロンシュタット。時は流れても、友情は変わらない。

Harvest Moon
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ニール・ヤングは長年の音楽活動で聴覚過敏症に陥り、このアルバムではエレキ・ギターからアコースティックに持ち替えている。その分、静かな曲が多い。『ハーベスト』の５曲目はベトナム戦争を題材とした「国のために用意はいいか」だが、『ハーベスト・ムーン』５曲目「ウォー・オブ・マン」では湾岸戦争を取り上げ、「勝利する者などいない、愚かな戦い」と歌っている。本当、アメリカって戦争ばかりしてる国だなあ。

ニュー・ムーン・ドーター
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1996年ブルーノート移籍の第２弾。カサンドラの姐御が「月」にちなむ唄を集めてます。「奇妙な果実」から始まり「ムーン・リヴァー」で終えるのはスタンダードを押さえてのことだけど、それ以外はアメリカン・ポップス。ポップスなのに、どれもドロドロに歌い上げてるのは、さすがです、姐御。
http://www.cassandrawilson.com/

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2007年ノラ・ジョーンズ主演映画。失恋した女性が旅に出て、様々な人生を歩む女性たちと出会い語り合う中で、自分自身を見つめ直す物語。第60回カンヌ映画祭のオープニングを飾った作品。ライ・クーダーが音楽監督をしていて、全体にジャジーな雰囲気が漂います。こちらもやっぱり「ハーベスト・ムーン」はカサンドラの姐御。
http://blueberry-movie.com/

Loner: Nils Sings Neil
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ニルス・ロフグレンは、ブルース・スプリングスティーン・バンドの凄腕ギタリスト。彼のサイトに行くとバク転のGIFアニメが流れてるけれど、バク転だけじゃない。ソロを任されると、目立ちたがりのスプリングスティーンよりも目立ってしまう。そんなニルスですが、業界デビューがニール・ヤングの『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』。ピアノを担当しています。でもニールからギターに転向するように勧められ『今宵その夜』。そこから彼のギタリスト人生が始まります。だから、50代後半になって振り返ると「ニール・ヤング」に戻るんだろうなあ。アコースティック・ギター一本だけ、あるいはピアノの弾き語りだけで曲を綴っていくので、情感が際立つ。もしかして本家よりいいんじゃない？
http://www.nilslofgren.com/