BOHEMIAN RHAPSODY
こんな歌詞だったんだ。
BOHEMIAN RHAPSODY
1975(Freddie Mercury) Queen B
夢か現か、地滑りに捕まって逃げ出せない
まなこを開き、見上げ、空を見つけるんだ
僕はただの哀れな少年、同情など要らない
ぶらりと現れぶらりと去る、気ままな生活
風の吹くまま、何も気にすることなどない
ママ、たった今、一人の男を殺してきたよ
頭に銃を当て引き鉄を引いたら死んだんだ
人生が始まったばかりなのにもうおしまい
ママを泣かせるつもりなんかはなかったよ
僕が帰らなくても何も気にせず頑張ってね
遅すぎるよ、どうやら終わりが来たようだ
脊髄に震えが走り、身体中が苦痛に捻れる
さようなら、皆さん、行かねばなりません
皆さんに別れを告げ、真実と向き合います
死にたくないけど、生まれたくもなかった
おや、一人の男のシルエットが見えてきた
道化師ですか？ ファンダンゴを踊るの？
稲妻が光り雷が鳴る、怖いよ、とても怖い
あなたはキリスト教徒の、キリスト教徒の
キリスト教徒の親方、高貴なお方でしたか
僕はただの哀れな少年、誰にも愛されずに
貧乏な家族に生まれ育った愚かな人間です
この恐ろしい状況から彼を救ってください
ぶらりと現れぶらりと去る、そんなふうに
この世を去るがままにしてくれませんか？
「慈悲深き神の御名において行かせない」
いいえ、行かせてください、彼を行かせて
「慈悲深き神の御名において行かせない」
いいえ、行かせてください、僕を行かせて
イヤです、こん畜生、僕はここを去りたい
ベルゼバブよ、この悪霊を追い払ってくれ
あなたは僕に石つぶてを投げつけますか？
僕の眼に唾を吐くことが出来るのですか？
愛してくれるなら、死ぬままにしてほしい
それが出来ないのなら、立ち去ってほしい
ただ大人しくここから出て行ってください
ああ、そうだ、何も気にすることなどない
何があろうとも、それでも風は吹いている
ボヘミアン・ラプソディ。1975年クィーンが発表した曲。イギリスで９週連続一位を獲得し「イギリスで最も売れたシングル・レコード」とされている。５分を超える複雑な構成をしているため、クィーン自体も通しでステージ演奏したことがないくらい。
しかし、こんな有名な曲が、これほど絶望的だとは思わなかった。歌詞中の「男」や「彼」は、自分自身のことですね。生きることに疲れ果て、命を絶つ若者。死にいく心象風景を描いている。悪霊呼ばわりされてるのはキリスト。だから、石つぶてを投げる資格があるのか、あなたに責任はないのか、と問い返されてる。さらに「空を見つける」や「風は吹いている」というフレーズからすると、ボブ・ディランが1963年に出した「風に吹かれて」へのアンサーソングでもある。どれだけ若者が死のうと、社会は変わらない。それは「戦争」の話だけでなく、この「日常」にもなった1970年代。あるいは、それ以降の「現代」の話。
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