BLACKBIRD - W&R : Jazzと読書の日々

今宵、新月。

BLACKBIRD
1968(Paul McCartney) Mike Tomaro

Blackbird singing in the dead of night
Take these broken wings and learn to fly

夜の暗闇に歌うクロウタドリよ
折られた翼のままで飛びなさい
これまでの人生、お前はずっと
この目覚めを待ってたのだから

夜の静寂に歌うクロウタドリよ
沈んだ瞳のままで直視しなさい
これまでの人生、お前はずっと
この自由を求めてきたのだから

クロウタドリよ、飛べ
黒夜に灯る光を目指し

夜の暗闇に歌うクロウタドリよ
折られた翼のままに飛びなさい
これまでの人生、お前はずっと
この目覚めを待ってたのだから

そう言えば、一休さんに「闇の夜に鳴かぬ烏の声聞けば」という戯れ歌がある。暗闇にカラスでは見つけようが無い。鳴き声をあげて初めて、その存在が知れる。ではカラスは、もし鳴かなかったら、存在しなかったことになるのだろうか。そんなことはない。カラスはいる。ただ、認識が追いつかなかっただけ。その認識以前を掴み取ること。一休禅師の悟りの境地を詠んだ詩とされている。
でも本当だろうか。これ、「闇の世に泣かぬ烏の声聞けば」と書けば、「烏」が「庶民」を表してるのが見て取れる。1968年ビートルズが歌った「ブラックバード」も同じこと。「ブラックバード」はアメリカの黒人たちを表す。1968年は、キング牧師が暗殺された年。だから、この詩が作られた。自由を求めるのなら、歌うことを辞めてはいけない。飛ぶことを諦めてはいけない、と。

2010年ホワイトハウスでのハービー・ハンコック。歌ってるのは、イギリスのコリーヌ・ベイリー・レイ。オバマは円高是正に頑張ってくれよ、と。

The Beatles (The White Album)
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何はなくてもホワイトアルバム。ビートルズが解散前に出した総集編。彼らの曲が網羅されてます。それにしてもブラックバード、ポールはウィングス時代にも歌ってるし、ソロになっても歌ってる。思い入れのある曲らしい。

Word of Mouth
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ハンコックが演奏してるのはこのアルバム。ジャズでもビートルズは取り上げるけど、「あのビートルズをジャズにしてみました」的なノリになりがち。でもこの歌にはメッセージがある。軽く取り扱ってはいけない。自由を噛みしめ飛び回るメロディをトゥーツ・シールマンスのハーモニカが担当し、地獄のような暗闇をジャコのベースが表現する。ピアノがハンコックで、サックスにウェイン・ショーター。と、あれ？ブレッカーさんも参加。ともあれ、自由と地獄のせめぎ合い。喧騒がモダンな音楽へと変わる瞬間。

Art of Trio 1
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ブラッド・メルドーにしては珍しくリズミカルで、忠実にメロディ・ラインをたどっている。それもそのはず、1995年ソロとしてワーナー・ブラザーズと契約。一人で飛び立つ喜びに満ちた歌。気持ちが溢れている。ここからブラッド・メルドーに入ると、正統派ピアニストだと「誤解」してしまうのでご注意。
http://www.bradmehldau.com/

家カフェ
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アコースフィアのギター・デュオ。良いですねえ。電車の行き帰りによく聴いています。疲れた身体にお二人のギターが沁み、落ち着いた心が戻ってくる。ありがとうございます。真夜中よりは、夕方向きですね。
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I Am Sam
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映画『アイ・アム・サム』。知的障害を抱える父親と、その娘の物語。幸せに暮らす二人のもとに「福祉」がやって来て、生活を無茶苦茶にしていく。ハッピーエンドで終わるから良いけど、本当に「福祉」は悪いやつだ。誰のためにあるんだろうと考えさせられる。差別と闘うこの映画は、もちろん「ブラックバード」から始まります。サラ・マクラクランの唄。
http://www.sarahmclachlan.com/