iBooksAuthorはオーサリング・ツールではない

今週はどこでもiBooksAuthorの話題が持ちきり。


ほぼ日刊イトイ新聞 - メディアと私。
ブログとの違い


糸井重里のホームページで、ibooks形式の電子書籍が出てます。ネット上に公開されている対談を、ただiBooksAuthorに貼り付けただけのもの。けれど、雰囲気が変わります。「情報発信ならブログでも良いんじゃないか」と考えてたけど、やはりメディアが変わるとメッセージが変わる。対談の山場がブログ形式では見えない。それが、段組されていると、文字の密度からアテを付けれるようになります。ここあたりで白熱しそうだ、と。先を読みながら、いま見てるところを読む。iBooksだとそんな感じがします。


簡単に電子書籍がつくれるアプリ、iBooks Authorのここがすごい!(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
米長棋聖 vs ボンクラーズ


Exciteニュースの記事ですが、この間行われた将棋電王戦の模様を、製作例としてibooks形式で配布してます。チャプター分けした場合の見せ方ですね。全体のアウトラインが視覚的に表現される。すると、文章の流れに階層構造が透けて見えてきます。読み物の場合は、少し気持ち悪く感じます。確かにこの形式は、良くも悪くも「教科書的」だと思う。知識体系を伝えるには良いけれど、読書リズムが分断される感じがしました。


LaTeXit を使い iBooks Author で数式を書く - 瀬戸亮平
LaTeXで数式を埋め込む


iBooksAuthorは、標準では数式表現に対応してないそうです。有料のMathTypeを追加インストールする必要がある。それは難儀なことなので、LaTeXで数式を記述しテキストエリアに流し込むことで対処出来るみたい。しかし、TeX自体、昔挫折した過去がある人間はどうしたら良いものやら。


電子教科書に落書きできる。そう、iBooks Authorならね。
やはり、それが教科書・・・


一番感動したのがこれかな。iBooksの写真に落書きが出来る。必需品ですね。iBooksAuthorの本質をつかんでるのはこの作品だと思いました。電子ブックのオーサリング・ツールなんかじゃないんですよ、iBooksAuthorは。これはHyperCardです。教科書なんて作っちゃいけません。子どもたちに「オモチャ」を自作させるツールです。自分からの働きかけに「本」が応えてくれて、自分だけの「面白いもの」へと変化していく。落書きしかり、パラパラ漫画しかり。そういう相互作用のプロセスが「人を育てる」じゃないでしょうか。


それにしても、iBooksをプラットフォームにしてソフトウェアを動かせるから、AppStoreを通さない自作アプリが流通し始めるってこと。これ、教科書革命とか、そんなレベルの話じゃないです。「ご自由にカスタマイズしてください」という形でウィジェットが配布され、それを組み合わせることで個人が自分用のアプリを作る。そういう「次の時代」の下準備が出来た、ってことです。
iBooksAuthorで書いてiBooksで読む方法


【追記】
Mac Fan.jp:iBooks Authorをスノーレパード環境に導入したい
これは凄い


Lion限定だと思ってたら、雪豹でもインストールする方法がありました。