モブログでMarkdownって使えるものなの?(その12:LaTeX)

実はあまり知らないので、覚書も兼ねてまとめてみました。


LATEXのきほん

LaTeX。「ラテフ」と読みます。1980年に考案された言語処理システム。美しくプリントアウトするためのコマンド体系です。エディタで書くと、テキストだけでは印刷物のように整形されない。かといって、Wordのようなワープロソフトだと、独自フォーマットで汎用性に欠けます。そこで、プログラミングのように文書の体裁を記述する方法が作られた。その統一規格がLaTeXだと思ってください。
MathJaxアクションは、そのLaTeXをTextwellでプレビューする目的で作りました。MathJaxには、数式を簡単に書ける利点があります。でも、ブログには直接関係ないですよね。むしろ文字装飾のほうが使えそうなので、そちらを重点的に説明します。とても豊穣です。
LaTeXは「$」で挟まれた部分で有効になります。こんな感じ。

$きらめく\huge{星座}\normalsize{が}$


LaTeXは「\command{テキスト}」の形式。文字サイズについては tiny, small, large, huge あたりが使えます。その気になれば、フォントサイズも指定できます。

  • 文系のマカーにも「使える」LaTeX

  • 使える文字装飾系LaTeX

    印刷を考えているから、なんでも出来る。表示に凝るためのテクニックが揃っている。でも種類が多すぎて、どこから押さえればいいのか。ブログに向いていそうなのはどれだろう?

    文字に色をつけたい。その場合は「\color{色名}{テキスト}」で書きます。MathJax自体は背景色も指定できますが、追加ファイルが必要みたいでTextwellアクションではエラーになります。HTMLタグに比べると、確かに可読性が高い。

    $\color{red}{お前}を\color{#ffcc2f}{呼んでる}$


    文字を小さくして、上に付けたり、下に付けたりできます。上が「^」で、下が「_」。x2みたいに書くのが目的ですが、日本語を使ってもかまいません。

    $それは選ばれた^{戦士の}_{あかし}$
    あかし


    「空欄を埋めよ」みたいな問題を作るとき、箱を作成できます。キーワードを強調するのにも使えますね。boxの種類も多いけど、とりあえず\fboxで賄えます。

    $ギリシア\fbox{ (イ)}のように$


    コマンドを入れ子構造で書くことも出来ます。たとえば、下線を引く\underlineを二度繰り返せば二重線になります。三度繰り返せば三重線。とっても強調。

    $まぶしい\underline{\underline{聖衣}}まとって$


    数式表現を借用する

    MathJax Documentation — MathJax 2.5 documentation
    MathJax is an open-source JavaScript display engine for LaTeX, MathML, and AsciiMath notation that w...

    数式にも文章修飾に便利そうなコマンドがあります。使い方次第で読みやすく組める。その代わり、書き方を覚えるのが大変なので、定型文として登録しておくのが良さそうです。


    分数は「\frac{A}{B}」で書きます。二つの文を上下に並べたいとき、一番簡単な方法。

    $$ \frac{あー、あしたの}{空は\color{blue}{ブルー}}$$


    多段に分けるのなら「\begin{array}{} 〜 \end{array}」の配列式を転用できます。配列内の改行には「\」を4つ並べます。

    $ \left< \begin{array}{} どんな夢も\\\\ 信じればかなうよ \end{array} \right> $


    \left と \right はどんな記号で囲むかの指定。何も無しなら「\left.」。(, <, [, |, { といった括弧が拡大して複数行を包み込みます。{ については 「\\{」と書かないと、コマンドの一部と解釈されるようです。LaTeXは改行したほうが見やすい。「$」は空行まで有効です。

    $
    \left\\{
    \begin{array}{}
    ああ\\\\
    心にしみる\color{blue}{ブルー} \\\\
    永遠の\color{gold}{かがやき}
    \end{array}
    \right.
    $


    まとめ

    Pandoc ユーザーズガイド 日本語版 - Japanese Pandoc User's Association
    原著:John MacFarlane原著バージョン:1.12.4.2翻訳:Yuki Fujiwara(2014年6月27日)pandoc [options] [input-file]...Pandoc...

    LaTeXMarkdownではないのですが、両方使うと鬼に金棒です。表現できないものはない。パソコンではPandocというフリーソフトで、いろんなフォーマットに変換できるようになっています。でもコマンドラインを使うからなあ。いまいち知名度が低い。普及するには、エディタに組み込まれないといけないかもしれませんね。でも、MarkdownLaTeXを混在させる形式は、ドキュメントを書くだけでなく、スライドショーを作ったりする観点からも発展していくでしょう。パワポ以上の表現力を得るかも。
    Textwellで出力すると、内部のHTMLタグは煩雑です。MathJaxが細かい指定をして、オフラインでも表示できる形式に組み換えています。ブログに投稿するまではスムーズでも、後から修正するのが面倒に思える。ここがもう少しスマートになると良いんだけど。