【Textwell】CorkBoardは「声」を捉える聴覚的なツールである

なぜカード形式が好きなのだろう。WorkFlowyにしてもScrapboxにしても、その「カタチ」は文字の書き込まれた紙片であり、文脈から切り離され漂う。年号の並んだ単語帳。フィールドノートのコーディング。仮面ライダーの怪人カード。コレクティブな愉悦。


CorkBoard

Textwellにコルクボードを付けたら可読性が数段上がりました CorkBoard
「コルクボード」とは情報カードが並ぶスペースのこと。Scrivenerが実装している、憧れの機能です。全体を俯瞰できる。見渡せる。長い論文を書く場合も、手短にエッセイをまとめるときも、このツールを使え...

空行に挟まれた段落をカード化し、コルクボードに並べるアクション。すでに書いたものを崩し、新しい展開を引き出すのに使っています。これが意外と悪くない。

今回はカード検索の機能も付けてみました。情報カードを絞り込むイメージです。まるでカード型データベース。タップして追記するのも簡単です。

Import Textwell ActionCorkBoard


使い方

画面トップに検索窓が付いています。ここにキーワードを書き込むとインクリメンタルサーチを行う。検索に正規表現が使えるので、「\d」で数字のあるカードだけにしたり、「なんだ|かんだ」でOR検索したり。使い方次第でなんでも絞り込めます。

ドラッグでカードの順番を入れ替えることもできます。カードの集まりがカテゴリーを生み出し、プロセスを浮き彫りにする。知りたいことをツールが教えてくれます。


まとめ

Textwell 1.8.3
分類: 仕事効率化,ユーティリティ
価格: \360 (Sociomedia)

「識」は「言葉の織りもの」を意味します。阿頼耶識のように、もはや意識の届かないところにも言葉は染み込み、身体と交差しながら絡み合っている。図書館に行かなくても「真実」はそこに書き込まれています。自分自身がテクストとして読まれるのを待っている。

「書く」とは、この身体に根ざした「言葉の織りもの」にアクセスすることです。CorkBoardでカードを近づけたり離したりすると、自分の中に「ああ、そうだ」と声がする。その「声」を捉えていけば、少なくとも自分にとっての「腑に落ちる」を見つけることができます。もしかしたらそれは、他の人にも「確かに」と思わせる言葉かもしれません。


最近読んだ本

これ、面白いですね。ノウハウ本かと思ったら、きちんと問題解決に関する歴史を押さえ、宗教学から認知科学まで全体を網羅している。しかも粒が細かい。カルチュラル・スタディーズになっている。この考察自体がどういうプロセスで行われたのか興味あります。