LADY IS A TRAMP

こちらは、お喋りの嫌いな人向け。


LADY IS A TRAMP
1937(Lorenz Hart / Richard Rodgers) Luemmelz


I get too hungry for dinner at eight
I like the theatre but never come late


ディナーは8時だなんてお腹が減るからイヤ
お芝居は好きだけど注目目当ての遅刻はイヤ
大嫌いな人たちはそもそも眼中に入れてない
だから「あの娘はアバズレ」て言われてるの


伯爵たちの双六の相手をさせられるのはイヤ
毛皮や真珠で着飾りハーレムを歩くのもイヤ
女の子達のお喋りに混ざったりするのもイヤ
だから「あの娘はアバズレ」て言われてるの


自由で新鮮な風に髪をなびかせるのが好き
心配事なしの人生、破産したって構わない


カリフォルニアは嫌い、寒くて湿っぽいから
だから「あの娘はアバズレ」て言われてるの


なるほど。ディズニーの『レディとトランプ(わんわん物語)』てこの歌から来てたんですね。いま繋がった。trampは「どしどし歩く」という意味。それが、何も気にせずに生きる「放浪者」を意味するようになります。そんな、自由で気ままな女性の唄。
邦題『気まぐれレディ』。1937年ミュージカル『青春一座(Babes in arms)』の挿入歌。トミー・ドーシー楽団が取り上げヒット。1939年に映画化され、ジュディ・ガーランドが歌っている。1857年には映画『夜の豹(Pal Joey)』でシナトラが、着飾った貴婦人リタ・ヘイワースの前で歌い、顰蹙を買い、それから好感を持たれるシーンに使われている(YouTube)。

短いですけど、たっぷり遊んでいるエロル・ガーナーの演奏。悪い薬でも召し上がったか?


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1957年。映画『夜の豹』が出るとすぐ、使われている曲をジャズにしてしまったという安直なアルバム。いやあ、どれも有名じゃないの。というわけで、ケニー・ドリューの軽快なピアノでスタンダード入門が出来ます。毎年のように廉価版が出ている売れ線アルバム(試聴はこちら)。


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starNaturally ! Rosie is a best jazz singer !
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歌詞の中で「そうね、シナトラの言う通りね」と歌っているロージー。「草を踏みながら歩くのが好き」とか、どんどん好きなものを並べていきます。決められた通りに歌うなんてジャズじゃない(試聴はこちら)。


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starスウィングの心地よさ メロディの歌い上げ 絶品です
starモーリスヴァンデールのピアノトリオを従えて
starステファン at Paris ・・・役者も舞台もそろった

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カリフォルニアの歌であってパリの歌ではないけれど、なぜかジャンゴ&グラペリが好んで取り上げています。「アバズレ」と呼ばれようが気にしない。私は私。そんな気高さ漂う作品。


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starスウィンギーな楽しく明るいギター

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ジャンゴ&グラペリが持ち歌にしてたとなると、ビレリも演奏します。しかも歌っちゃってます。うなってます。ギターがノリノリで踊り出したくなっちゃいます(試聴はこちら)。


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1940年代、ウッディ・ハーマン楽団のテナーを取り仕切る4人組フォー・ブラザーズのうちの一人、アル・コーン。他の3人はスタン・ゲッツズート・シムズと、あと誰だっけ? 彼らはスイングとビバップの良いとこ取りをした、独自路線を突っ走りました。特にアル・コーンは、バンド全体でのハーモニーを重視。ここではジェリー・マリガン・カルテットのボブ・ブルックマイヤを迎えての競演。「気まぐれレディ」を取り上げたのは、トロンボーン奏者でもあるトミー・ドーシーへのオマージュなのかな。