11月の曲

きゅきゅーと冷え込んで、今年もまた冬が訪れます(2008年分はこちら)。


LOVER’S CONCERTO ラバーズ・コンチェルト
AUTUMN LEAVES 枯葉
NOBODY KNOWS THE TROUBLE I’VE SEEN 誰も知らない私の悩み
SO WHAT ソー・ホワット


秋が深まると感じるのが「孤独」。去年のラインナップからすると、そういうテーマかな。夏にどろっと溶けていた身体は急激に冷やされ体調を崩し、日暮れも駆け足に過ぎ長い夜がやって来る。外に出ることさえ億劫。いつも以上に街が声を潜めている。それが11月。今年もまた終わろうとしている。何も変わることがないまま、散り始める木々に、ひとはもの想いを知る。満足げな笑顔の下に、不平不満のしかめ面の下に、あるはずのないものを見つめる。空っぽだ。日々の忙しさだけがすり抜けていく。自分は空洞で出来ている。秋は告げる、「テレビを消して、夜を感じてみて。騒々しさで掻き消そうとしてるのは何だろう?」と。「誰か」によっては埋まりはしないもの。自分一人で抱えていくしかないもの。



ナイト・イン・モンテカルロ
ナイト・イン・モンテカルロラウル・ミドン マーカス・ミラー・フィーチャリング・ラウル・ミドン&ロイ・ハーグローヴ

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で、それがどうした?(笑) それが、So What。マイルスの口癖、ジャズの勘所。孤独があるから、自分であることが出来る。掛け替えのない自分の道を歩いていける。他人でも出来ることなら、自分がこの世界に要る必要がない。自分が自分である苦しみなら、背負っていける。
「スタンダード」がジャズにあることは面白いと思う。他のジャンルなら「他人の曲」をやっても「自分の個性」とは思わないだろう。ジャズは「他人の曲」をやることで「自分」を表現する。似せようとしても似せなくても、上手くても下手であっても、自分が演奏するなら「自分の曲」。枠を解き、空洞を開け放ち、仲間たちと響き合う。そこに「自分の音」がある。埋没しない。しっかりした「自分」がある。
マーカス・ミラー。マイルスの晩年を付き添ったベーシスト。アルバムのほうはオーケストラとの共演盤だが、埋没しない。彼にもまた「自分の音」がある。


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