WELL YOU NEEDN’T - W&R : Jazzと読書の日々

魔の「食欲の秋」。そこは日頃のダイエット。

WELL YOU NEEDN'T
1944(Mike Ferro / Thelonious Monk) Dustin Sargent

You're talkin' so sweet well you needn't
You say you won't cheat well you needn't

君が優しく話し掛けてくれる、でも無駄さ
二度と騙したりしないと誓う、でも無駄さ
足でリズムを刻み踊りに誘う、でも無駄さ
終わったのさ、もう終わったのさ

君は上品に冷静さを装ってる、でも無駄さ
いつもの生意気を口に出さず、でも無駄さ
努めて明るく振る舞っている、でも無駄さ
終わったのさ、もう終わったのさ

おふざけが過ぎたようだね、さあ礼をして
気づくべきだよ、君の出番は終わったんだ
ビートは遅くなり、影は伸び、光は落ちる
終幕の時間、ショウを閉じる準備をしよう

ダイエットして体重を減らしても、無駄さ
どんなに美しく化粧し着飾っても、無駄さ
釣り糸にエサを付けて垂らしても、無駄さ
終わりなんだ、もう終わったのさ

ダイエット否定されてもなあ。結構ダイエット、大変なんだよ。血液検査でコレステロールが引っかかってさ。栄養指導受けにいったら「この用紙に一週間の食事を記録してください」と言われ、「甘いものが好きなんですね」とか「この日もポテトチップスですか」と私生活を暴かれ、果ては「これとこれ、それとこれもバツです」といっぱい罰点を付けられる。ちゃんと寝る前２時間は何も食べないようにしてますけど、欠点のない人間はいないんだし、許してあげてもいいんじゃない？
1944年セロニアス・モンクが作曲したインスト・ナンバー。コード進行が難解で、演奏する人によってコードが違ったりするヘンな曲。そもそもタイトルも意味不明。「気にしなくて良いよ」くらいか。それを1970年マイク・フェローが「It's Over Now」として歌った。マイク・フェローはボーカリーズの奇才で、ジャンゴの曲を唄にした『Django By Ferro』のジャケットでお顔を拝見できます。

ピアノ・デュオでこの難物をさばくバリー・ハリスとトミー・フラナガンの演奏。

Monk's Music
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コルトレーンの居眠りで有名な「ウェル・ユー・ニードント」。自分のパートを忘れそうになったのを、モンクがピアノから「コルトレーン！」と叫んでるのが録音されてます。1957年。そうは言っても、この曲、どこが「入り」か分からないじゃないですか。音楽理論を超えていくモンクの楽曲群。いつ聴いても斬新です。ジャケットも一体、何をしたいのやら。
（追記）モンクさんが乗っていた「何か」

Carmen Sings Monk
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唄入りはこれしか知りません。そして充分。1988年にカーメン・マクレエがモンクの曲を歌ったアルバム。歯切れがいい。未練も恨みもなく、軽やかに前進していく。こうやって聴いてみると、モンクの曲は「声」で表現されると小気味良い。もっとも、歌えたら、ですけど。

Steamin
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いまiPod touchに入れてあるのがこれ。繰り返し聴きますね、マイルスのマラソン・セッション。短期間で量産したとは思えないほど、それぞれの曲が個性的。「ウェル・ユー・ニードント」はフィリー・ジョー・ジョーンズの煽るドラムの上をマイルスが華麗に舞う。コルトレーンも健闘。そしてポール・チェンバースのベースが聴かせどころになってます。ずしんずしん来る。この目まぐるしい曲の後にしっとり「When I Fall in Love」が流れるのも素敵。

Quartet
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70年代後半マイルス・グループのメンバーでVSOPを作り、ジャズの再評価に貢献したハービー・ハンコック。1981年そこに新人を投入します。ウィントン・マルサリス。すると世界中がブーイング。確かにモンクの曲は名曲が多いけど、このメンバーで演奏すると「マイルスの代わりにマルサリスを入れた」に見える。でも振り返ってみると、必然だったのでしょう。世の中「無駄なこと」などない。マルサリスは自分の色を出せるアーティスト。今でもこのアルバムは、版を重ねるロングセラーになっています。

これって、他のネット通販がとても困ってしまうと思う。