DOWN BY THE SALLEY GARDENS

某アニメのエンディング。良い曲だわ。


DOWN BY THE SALLEY GARDENS
1909(William Butler Yeats / Irish folk song) Alys Howe


Down by the salley gardens
My love and I did meet


僕が彼女と出会ったのは、あの柳の庭近く
彼女は雪のように白い足で道を歩いていた
彼女は言った、恋に落ちるのは簡単なこと
まるで木々に若葉が芽吹くようなもの、と
でもその頃の僕はまだ若く愚かだったので
彼女の言葉に何も返すことが出来ずにいた


僕は彼女と二人、川のそばの草原に立った
彼女は雪のように白い手を僕の肩に置いた
彼女は言った、生きていくのは簡単なこと
まるで堰に雑草が生い茂るようなもの、と
でもその頃の僕はまだ若く愚かだったので
今こうして溢れんばかりの涙に暮れている


そう、すべては簡単なこと。自然の流れと同じように、人の一生は過ぎていく。何もかもがうまく出来ている。でもそんなふうに思えるのは、人生も後半に差し掛かってから。若いうちは分からない。流れに抗おうとする。無理を通そうとする。でも、それはそれで良いんじゃないか。がむしゃらに生きた分、「この人生もアリだな」と後で思えるのだから。
邦題『柳の庭のほとりで』。1889年詩人ウィリアム・イェイツが書き留めたアイルランド民謡。salleyはアイルランド語で「柳」を意味し、スライゴ州にある農村の地名らしい。1909年ハーバード・ヒューズが「The Maids of the Mourne Shore」というタイトルでアリアとして編曲したバージョンもある。

映像はメル・ギブソン『ブレイブハート』。Peksiという人のギターだけど、レベルが高い。


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「柳の苑のほとりにて、戀人とわれと相見ぬ。ま白の足もろうたげに、柳の苑を過りつつ」。うーん、昔の「恋」はむずがゆし。ろうたげだもんなあ、ろうたげ。


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2002年沖縄本土復帰30周年記念式典で『島唄』の英語バージョンを歌った人。イギリスのクラシック声楽家ジー・クーパー。アイルランド民謡を取り上げていて、これが透き徹るように美しい。
http://www.izzysings.info/


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古風な曲には、素朴なティン・ホイッスルがよく似合う。アイルランドの民族楽器。貧しい農場で、ブリキから作られた小さな縦笛。ティン・ホイッスル第一人者ジョニー・マッデンの演奏が心に染みます。
http://www.myspace.com/joaniemadden


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チャーリー・ヘイデン一家の音楽会。希代のベーシストが子どもたちとパーティしてます。パット・メセニーも飛び入り。カントリーやスコットランド民謡、そしてアイルランドの「サリーガーデン」。歌っているのはヘイデンの奥さんルース・キャメロン。元女優だけあって貫禄あります。愛も籠ってます。
http://www.charliehadenmusic.com/



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アマゾンでは酷評だな。現在放送中のアニメ『フラクタル』。哲学者の東浩紀教授が原案で、元京都アニメーション山本寛監督が制作。見るからにジブリ・アニメのコラージュで、メーヴェが出てきたり「親方、空から女の子が!」な展開。でも「コンピュータに管理され、働かなくても基礎所得が得られる、幸せな未来」という設定は『未来世紀ブラジル』並みに重い。後半どうまとめるかで名作になるかも。
「サリーガーデン」はAZUMA HITOMIさん。日本語の歌詞も入ってます。「中3からLogicで作曲活動」って、そういう世代が出てきてるのか。良いなあ、若い人は。
http://www.myspace.com/azumahitomi