PERDIDO

ひたすらボーッとしてます。生産性が下がってます。


PERDIDO
1941(Ervin Drake & Hans Lengsfelder / Juan Tizol) Datevik


Perdido, I look for my heart it's perdido
I lost it way down in Torido


ペルディド、私の心が見つからない
どこかでペルディドしてきちゃった
多分トリドの街に落として来たのね
ダンス大会があって出場してきたの


ボレロを踊ってるときに彼が現れて
ソンブレロを脱ぎながらこう言った
「素敵なフィエスタをご一緒に」て


二人の距離が縮まる頃には日は高く
アディオスを告げる頃には月が低く


それから私の心は行方不明の紛失物
ほんと、トリドに取りに行かなきゃ
失ってみるとやたら恋しく思えるわ


perdido。スペイン語perdirの過去分詞。「失った」という意味。それは良いんだけど、Toridoがどこか分からない。Googleマップで調べると、ブラジルなんですよね。じゃあperdidoは、ポルトガル語perderの過去分詞じゃないか。でも別れの言葉はポルトガル語だと、adiosではなく、adeus。ソンブレロもメキシコの帽子だから「メキシコの女性がブラジルのダンス大会に出場した」て設定かな。
1941年トロンボーン奏者ジュアン・ティゾルが作曲。エリントン楽団の演奏でレコード化された。歌詞は1944年に付けられたもの。しかし実際に歌われたのは、エリントンとエラさんが競演した1957年だったらしい。そうするとティゾル自身がこの曲を「Perdido」と名付けたのは、失恋とは関係ないだろう。曲調からするとむしろ「我を忘れて踊り狂う」みたいなニュアンスか。



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エリントン御大とエラさん。考えてみると、エリントンの膨大な曲に歌詞を付け、歌にしてしまおうという企画は無謀。それを三枚組のLPに収めたエラさんの、表現力の深さが恐ろしく思えます。


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Jazz at the Philharmonic 1949Charlie Parker

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ペルディドはエリントン楽団の代表曲であると同時に、チャーリー・パーカーの十八番。これはもはやスイングではない。縦横無尽に駆け回るアルト・サックス。こういう演奏をされてしまうと、後に続く人たちが苦労します。だって、早々と完成形を見せつけられるわけだから。


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で、バードを超えたか、と思えるのがローランド・カークの名演。1974年ライブ盤です。チャーリー・ミンガスのベースをバックに、管楽器三本を同時に吹くローランド・カーク。20分間演奏が続く。飽きさせない。なまじなことではありません。


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ビッグバンドの曲を、ピアノ一本で弾く。それも元の曲のスイング感を失わずに。それが出来るのがオスカー・ピーターソン。1968年の演奏。この人のピアノは、お客さんを楽しませるコミカルさと、クラシカルな荘厳さとが同居していて、様々な表情を漂わせています。