IT’S ONLY A PAPER MOON

ついにiPadで大画面ニコニコ動画
http://blog.nicovideo.jp/niconews/2010/09/009269.html


IT’S ONLY A PAPER MOON
1933(E. Y. Harburg & Billy Rose / Harold Arlen) LA Jazz Band


It is only a paper moon
Sailing over a cardboard sea


ボール紙の海を照らし渡る
それはただの紙で出来た月
でも君が信じてくれたなら
それは作り物ではなくなる


モスリンの木の上に広がる
それはただ布に描かれた空
でも君が信じてくれたなら
それは作り物ではなくなる


もしもお気に召さなければ
これは下町酒場の馬鹿騒ぎ
もしもお気に召さなければ
これは露店に流れる歌謡曲


ここは道化師達が棲む世界
全てインチキな見掛け倒し
でも君が信じてくれたなら
ここは作り物ではなくなる


どうせこの世は作り物。嘘と虚構で「人間世界」は出来ている。でもね、この世を活かすも殺すも、ただ君が信じてくれるかどうかに掛かっている。嘘だと知りながら、この世を愛してくれるかどうかに掛かってるんだ。だって大事なことは、空に架かる月が何で出来てるかではないだろう。大事なのは、この嘘の世で、君と僕が信じ合うことだから。
1933年ミュージカル『ザ・グレート・マグー』の挿入歌。そのときの曲名は「If You Believed in Me」。同年映画『テイク・ア・チャンス』にも使われたが、不評に終わった。まだニューディール政策が導入される前の大不況時代。誰もミュージカルなど行く余裕がなかったのだろう。それでも歌は支持され、1947年ミュージカル『欲望という名の電車』にも使われている。不安な時代を象徴する曲。もちろんオニール親子主演映画『ペーパー・ムーン』の主題歌(前回分参照)。



アフター・ミッドナイト
アフター・ミッドナイトジョン・コリンズ ナット・キング・コール

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star涙なしには聴けない。
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star決定盤1500新シリーズにも注意!

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『1Q84』も「ペーパー・ムーン」の歌詞から始まる。イメージしているのは、このナット・キング・コールのバージョンだろう。戦後ピアノ・トリオを解散しポップ・シンガーとなっていたコールが、再度トリオを結成しジャズを奏でた1956年『アフター・ミッドナイト』。核に脅える冷戦の時代。深夜さえも過ぎた暗黒の中で、まだ僕たちには信じることが残されている。


ザ・ビッグ・ビート
ザ・ビッグ・ビートアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

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star楽しくてしょうがない
starやはり…リマスター大失敗。
starウェイン・ショーター時代の幕開け

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1961年ジャズ・メッセンジャーズ新時代。相変わらずブレイキー親分のドラムはバンバン景気良く鳴り響いてますが、そこにとんでもない新人さん、ウェイン・ショーターが加入。柔らかくてゴツい、絶妙のサックスを聴かせてくれます。先輩リー・モーガンも負けていない。アドリブなら、ここまで崩しても全然OK。最後のほうは原曲のイメージも何のその。これこそ「ホンキートンク・パレード」!


Groovin at Small's Paradise
Groovin at Small's ParadiseJimmy Smith

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starご機嫌なアルバム
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いえいえ、「ホンキートンク」とはこの人のこと。ジミーさん、必聴の1957年デビュー盤。安酒場に置いてある、壊れかけの楽器のように調子外れなことを「ホンキートンク」と言うのですが、この「スモールズ・パラダイス」が安酒場だったかどうかは知りません。でもジミーさんのホームグラウンドだったようで、好き勝手に弾いてます。この人のオルガンの凄さは、一音鳴っただけで異世界に飛んじゃうこと。


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DesireTierney Sutton

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2009年度グラミー賞ノミネート・アルバム。ティアニー・サットン、いきなり「ペーパー・ムーン」を囁きでやってます。そしてクリスチャン・ジャコブ・トリオのバックアップ。ここが、ピアノ・トリオとしても聴かせるようになっているので、二重に楽しめる。贅沢なアレンジが施されてます。
http://www.tierneysutton.com/