【Textwell】「ファイル保存」ではなく「忘却」を目指す Notes

noteは書くための忘却である。


Notes

Textwell 1.8.6
分類: 仕事効率化,ユーティリティ
価格: \360 (Sociomedia)

Textwellは「保存」を持ちません。いかなるときもバックアップを取り、バッテリーが落ちたり不意の再起動があっても、書いた文章は守られています。履歴となって残る。執筆ツールとしてこれは正義です。だから「保存」という概念を持たない。

でも諸刃の剣にもなる。「保存」が無いばかりに「History」と「Snap」という2つの概念を導入し、それぞれ呼び出す手数が多くなっています。履歴こそボタン1つが望ましい。それでアクションを組んでみました。GitLHub経由なのでオンライン前提ですけど。

Import Textwell ActionNotes


使い方

一行目をタイトルと見なし、同じタイトルなら上書き、新しいタイトルは追加します。そのあと保存済みファイルをリスト表示します。左のタグをタップするとファイル削除です。

ファイル自体をタップすれば読み込みになります。バックアップが必要なのは別のファイルに切り替えるときだろうと考えました。それに合わせ、最短の動線にしています。

localStorageを使っているので、ファイル自体はTextwellの内部に保管されます。ネット上には漏れ出さない。理屈の上では5MBまで保存が可能なはず。


「note」という装置

今回メタファーとして「note」を使っています。note とはフランス語の「音符」「手紙」「揮発性」あたりを指す言葉であり、発信者の手許に残るものではありません。誰かに向けて放散している。そこから連想するに、日本語の「備忘録」も「忘れることに備える」ではなく、「備えるために忘れる」ではないでしょうか(いやいや、強引すぎますね)。

たとえば手荷物で手がふさがっているとき、コインロッカーに預け両手を軽くます。そして次の土産物屋を物色する。帰りに大変な思いをするのは変わりませんが、一時的に手が空くと気持ちも軽くなります。外界に関心を向けるゆとりが生まれる。新しいことを捉えるには、まず頭にスペースを作らねばなりません。そのための装置が「note」です。

NotesはTextwellの中に「コインロッカー」を設置します。そこにテクストを預け、別の発想が浮かんでくるのに備える。そんなスペースを実現しました。書いた文章のことは忘れてしまう。「次の瞬間」に追いつく工夫としての忘却です。


まとめ

他のアクションとの連携を考えています。たとえばBinder。今はバックアップ先をDropboxにしていますが、将来的にはこのNotesに回したい。Binderの分割執筆は強力ですが、対象にできる原稿は一本に限られます。別の作業に使えない。でもNotesにイメージを残せれば、並行して何本も管理できる。そうなると、面白いことが生まれそうに思います。

  • 【Textwell】長い論文でも分割執筆でじっくり書ける Binder

  • 追記: 2018/01/17 アクションを更新しました。

  • TextwellのGitHubサーバーを引っ越します Beside/Binder/Notes/Clip