SPAIN

ブラジルと来たら、次はここでしょう。って、いつから観光案内ブログになったんだ?


SPAIN
1971(Chick Corea) Anatomy of Soul


I can recall my desire
Every reverie is on fire
And I get a picture of all our yesterdays
Yes today, I can say
I get a kick every time they play that spain again


過去の日々はまるで写真のように
角が折れ、セピア色に色褪せても
それは二人の過ぎ去りし恋の全て
でも、これからは追伸が続くんだ


12月の雨を、僕は今も覚えている
茶色い落葉が地面を覆うスペイン
そこで僕は君と恋に落ちた
喜びに満ちた夜は懐かしの思い出
明日には君が僕の所にやって来る


あのときめきがよみがえる
思い出が燃え盛る
過ぎ去った日が瞼に浮かぶ
そして今日
スペインを思い返すたびに
胸がはち切れそうになる


歴史の瞬間を僕は見る
二人の目と目が合い、踊り始める
また夢のような日々が始まるんだ
二人の心臓はカスタネットになる
鼓動の意味を永遠に忘れはしない


あのときめきがよみがえる
思い出が燃え盛る
過ぎ去った日が瞼に浮かぶ
そして今日
君が僕を見つめるたびに
胸がはち切れそうになる


がーん! 12月の歌? いや、大丈夫(って、同じフリかい)。12月は二人が出会ったスペインの夜。別れて、もう会えないと思っていたのに、なんと彼女が追いかけて来てくれた。わーい。まあ、遠距離恋愛ですな。この幸せ者め!
1971年、ピアニストのチック・コリアが作ったフュージョンの名曲。アルバム『Light as a Feather』に収められた。藤田まこと『必殺仕事人』のテーマ曲が使われてますけど、必殺シリーズは1972年開始だから、チック・コリアはまだ見てない(その後も見てないと思うけど)。本当の元ネタは、スペインの作曲家ホアキン・ロドリーゴアランフェス協奏曲(1939)。そこから、アップテンポな早口ソングへと突入。胸のときめきを怒濤のサンバで表現している。


Light as a Feather
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starチック・コリアリターン・トゥ・フォーエヴァー万歳!
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starファーストの素晴らしさとはかけ離れたセカンドアルバム

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チック・コリアの原作。2001年にグラミー賞を2つも受賞したアルバム。透明なサウンドが斬新でした。グループ名はニーチェ「永劫回帰」のこと。漢字にされると難しそうだが、ニーチェチック・コリアも「(目先のことに囚われず)永遠なるものに帰ろう」と言ってるだけ。



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PlayBobby McFerrin / Chick Corea

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star20世紀の奇跡
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チック・コリアのピアノと巨匠ボビー・マクファーリンのヴォーカルがインタープレイ。歌じゃないですよ。声を楽器のように操っているんです。


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starスペイン以外にもお楽しみはあります(^^;
starやっぱりスペイン
starこのSpainはイイ

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で、「スペイン」に歌詞を着けてしまったのが、アル・ジャロウ。この人のようなリズム感と音域がないと、ダメ。真似できません。


Spain
SpainMichel Camilo & Tomatito

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star二人のラテン人の出会い
starやっぱりよいですね
star蒸留された土臭さ

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ミシェル・カミロのピアノに、本場スペインからのフラメンコ・ギタリスト、トマティートがアランフェス協奏曲を爪弾き、そのまま「スペイン」へと盛り上がってしまいます。これぞ、ラテンの情熱!


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star覚醒の中での日常
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スペイン映画と言えば、これ。1936年に始まるスペイン内乱。総選挙で左翼の人民戦線政府が樹立し、それに反発する軍部が反乱を起こす。ヨーロッパの各国の思惑が錯綜し、1939年にはファシストフランコ将軍が政権奪取。これが、ヨーロッパでの第二次大戦の引き金となる。アランフェス協奏曲は、この内乱に対する反感の歌なのだ。
映画はそのフランコ政権下のスペイン。反フランコ派であることを隠し、ミツバチの飼育に没頭する父親。昔の恋人との思い出に浸る母親。大人たちの「現実」とは現実逃避のこと。そこにやってくる映画『フランケンシュタイン』。6歳の少女アナの視点から、幼年期における目覚めを詩的な映像で綴っている。「私はアナ」。姉の言葉でしか世界を語れなかった少女が「私」と語り出すまでのプロセス。
チック・コリアの「スペイン」の1971年は、まだフランコ政権下。『ミツバチのささやき』の1973年もまだそう。スペインは「戦後」ではなかった。しかし、スペインの目覚めは始まろうとしていた。その雰囲気が、音楽にも映画にも反映している(従来のDVDは色が潰れてたので去年新盤が出たらしい)。


【追記】
いま松嶋菜々子が出てる生茶のCM、かかっているのが「スペイン」でしたね。日本のお茶になぜスペイン? 魯山人先生スペイン料理は好きだった? 下記のリンクで試聴できます。
生茶CM: http://www.beverage.co.jp/product/cm/namacya/