SO IN LOVE

夏の夜空には花火が舞い、賑やかです。みんな、昼の間は寝てるんだよなあ、きっと。

SO IN LOVE
1948(Cole Porter) Jakob Frandsen

Strange dear, but true dear
When I'm close to you, dear
The stars fill the sky
So in love with you am I

おかしな話だけれど本当のこと
昼であってもあなたに近づくと
空に星が満ちてくるのが見える
だってあなたに恋しているから

あなたと一緒にいないときでも
腕の中にはあなたを感じている
どうしてなのか分かるでしょう
それはあなたに恋しているから

私は神秘的な夜と恋をしました
あの夜にあなたと出会えたから
私は甘美な喜びと恋をしました
あなたも私を愛してくれたから

たとえあなたが私を騙していて
私を嘲り見捨てるのだとしても
死ぬときまで私はあなたのもの
だってこんなに恋しているから

あま〜い♪　恋に落ち、恋に酔っていても、どこかに冷めたもう一人の自分がいる。恋愛の最中に「たとえあなたが私を騙していても」と思う人はそうそういません。そういう破局まで見えてしまうのは、これまで人に愛されずに生きてきたから。だから、この愛だけは、と思う。たとえ偽りであるとしても、私にとっては真実の愛。
「日曜洋画劇場」のエンディング曲。1948年ミュージカル『Kiss Me Kate』に使われた。シェークスピアの『じゃじゃ馬ならし』を表とし、その舞台裏の役者たちの人間模様を絡めて描く複雑な作品。当時大衆から飽きられ始めていたコール・ポーターを脚本家ベラ・スピヴァクが無理を押して起用。結果としてポーター最大のヒット作になり、1953年には映画化された。2004年ポーターの自伝映画『五線譜のラブレター』でも最後の見せ場になっている。

So in Love
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誰やねん、と言いたくなりますが、アート・ペッパー。麻薬中毒から立ち直った1979年。２通りのメンバーとセッションしています。メインはハンク・ジョーンズ＆ロン・カーターのベテラン隊ですが、「ソー・イン・ラブ」はチャーリー・ヘイデンと。ピアニストもジョージ・ケイブルスに代わっています。この若手リズム隊が、ゆったりしてるはずの「ソー・イン・ラブ」をアップテンポで煽る。別の曲かのように押し上げて、ペッパーのカッコ良いソロに突入します（試聴はこちら）。

Night Club
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ボーカルは、歌手ではなくピアニストのパトリシア・バーバー。でも歌のほうも、存在感たっぷりの重さがあり、とてもジャズらしい。

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コール・ポーターは、なぜかピアニストに人気がある。特に戦後の日本にジャズを紹介してくれたハンプトン・ホーズ。ウェスト・コースト・ジャズとハード・バップを取り混ぜて、スタンダードのカッコ良さをアピールしています。特に「ソー・イン・ラブ」では、ベースのレッド・ミッチェルもテンポを緩め、じんわりじんわりとメロディを噛みしめている。

Akoustic Band
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そして、この大物ピアニストも。これ、日本の企画アルバムだからスタンダードが偏ってる気がする。チック・コリアだからスペイン、みたいな。「ソー・イン・ラブ」もホント「日曜洋画劇場で日本人が知ってるから」的な感じ。でも、そう易々とは問屋は卸さない。見事に裏切って、新しいイメージの曲に仕上げてます。日本よりアメリカでのほうが評判がいい。

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これもピアノのリニー・ロスネス。ビル・エヴァンスに影響を受けてウェイン・ショーター・グループに在籍していた、繊細で躍動感もある女流ピアニストです。「ソー・イン・ラブ」は『Art & Soul』というアルバムを収録したときの未収録版なので、リチャード・ボナが参加してます。でもボナさん、ベースじゃなくてパーカッションで参加（試聴はこちら）。

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決して「順調な人生」というものはない。だから生きることを信じることができる。