SO WHAT

へぇ、これにも歌詞があるんだ。

SO WHAT
1959(Eddie Jefferson / Miles Davis) Little Feat

Miles Davis walked off the stage
That's what the folks are all saying

「マイルスが舞台から去っていく」
観客たちは口々にささやく
そりゃあ、そうだろう、彼は去る
彼のソロはもう終わったのだから

「トレーンが舞台から去っていく」
観客たちは口々にささやく
二人はステージの袖に消えていき
やがて、僕たちから見えなくなる

まだまだリハーサルが足りないと
彼らは痛切に感じている
僕たちには達人に見えるけれども
彼らはさらにグルーヴを探求する

ソロ・パートが終わるとすぐさま
二人は舞台から消えてしまう
たとえ頭で理解できないとしても
グルーヴから何かが伝わってくる

マイルスやコルトレーンを絶賛した歌。歌詞としては面白みないけれど、リアルタイムに彼らを見た人たちには、こんな感じだったのかな。ソロ・パートが終わると、もう舞台にいない。彼らは人の評価などに関心はない。ただ、自分が納得できたかどうかだけ。でも観客たちは、彼らの姿が見えなくなっても、舞台に残る存在感に圧倒されてしまう。
1959年に発表されたマイルスの代表曲。マイルス自身の口癖「だから何？(So what ?)」がタイトルになっている。理屈や決まり事ではそうかも知れないが、それが何？　それまでのハード・バップとは違う、生意気で反抗的な「モード・ジャズ」の始まり。1961年ヴォーカリーズの創始者エディ・ジェファーソンが感銘を受け、歌詞を付けた。「すぐれたジャズのソロは、ストーリーを語っている」。

Kind of Blue
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ははは、本当に視界から消えちゃうんだ。ということでYouTubeと同じ、マイルス＆コルトレーン盤。「ソー・ホワット」が最初に出された1959年のアルバムです。なにしろコード進行に縛られず、アドリブのソロ回しをするモード・ジャズ。演奏者の力量がそのまま出てしまいます。このCDでは、キャノンボール・アダレイやビル・エヴァンスが参加。妥協がない。

マイルス・イン・ベルリン +1
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奇跡のようなベルリン・ライブ。メンバーを20代の若手に一新した1964年のマイルス。若手と言っても、サックスはウェイン・ショーター、ピアノがハービー・ハンコック、ベースにロン・カーター。鉄壁です。「ソー・ホワット」もリズムが倍速かと思うほどの早回し。こっちのほうが好きですね。エネルギッシュ。ライブならではのスリリングな緊張感が漂ってます。

Body and Soul
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メロディに歌詞を付けるのではなく、ソロに歌詞を付ける。それがエディ・ジェファーソン。1930年代から精力的に活動し、レスター・ヤングやチャーリー・パーカーをヴォーカリーズしてきました。だから歌詞を評価するよりは、アドリブのソロ・パートを「声」でやってのけてるところが凄い。とてもファンキー。

So What: The Best of Michel Petrucciani
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ペトルチアーニのベスト盤。1990年代後半ドレフュス・レコードに残した音源です。「ソー・ホワット」はアンソニー・ジャクソンのベースに、スティーヴ・ガッドのドラム。ピアノが幻想的に走り回るアドリブのところでは、音の狭間から不思議なハーモニーが聞こえてきます。魔法だなあ。

Summertime
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同じドレフュスのビレリ・ラグレーン。2009年にシルヴァン・リュックとの新しいデュエットを出しました。ギター２本で織りなす、音の海。この海は深い。