BLACK COFFEE

コーヒー豆が切れたので、ちょっとリッチに「炭焼珈琲」にしてみました。ブランドは「くらしモア」です。ああ・・・。

BLACK COFFEE
1948(Paul Francis Webster / Sonny Burke) Melody Romantico

I'm feeln' mighty lonesome, havn't slept a wink
I walk the floor and watch the door
And in between I drink black coffee
Love's a hand-me-down broom
I'll never know a Sunday, in this weekday room

強い孤独に襲われて一睡も出来ない
部屋を歩き回ってはドアを見つめる
そして飲むのはブラック・コーヒー
恋とは使い古しの箒のようなもの
この部屋には日曜などやってこない

影を話し相手に夜中の１時から４時
時は過ぎずコーヒーをただ飲むだけ
憂鬱が私の眼に取り憑くから
月曜は日曜の涙を乾かすのに忙しい

男は恋を追い求めるために生まれ
女は泣き暮らすために生まれる
女は家で待ち、オーブンの番をし
後悔をコーヒーと煙草で紛らせる

虚ろに朝を過ごし、涙で夜を迎える
昼は煙草を吸いコーヒーを流し込み
地面へと引きずり込まれる
あなたが戻ってくるのを待ちながら
私は狂気の世界に追い込まれていく

詩のメタファーが凝っている。たとえば、I'm hangin' out on Monday my Sunday dreams to dry。『ジャズ詩大全』では「呑みあるく」と訳されているが、この「hang out」は自動詞ではありません。「my Sunday dreams」を目的語にとる他動詞。「洗濯に干す」という意味。そもそも、この女性は家から出ることが出来ない。いつ「彼」が帰ってくるか分からないから。彼の帰りを夢見ながら流した日曜の涙を、次の日の家事で気を紛らせ、その夜にまた涙を流す。その繰り返しの毎日。
邦題『ブラック・コーヒー』。1948年コロンビア・レコードに移籍したサラ・ヴォーンのために書かれた曲。ブルース・シンガーと思われていたのか。1953年にペギー・リーが再び取り上げ大ヒットした。

トゥーツ・シールマンスも参加のヴァネッサ・ルービン。R&B寄り？

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ディズニー映画の『わんわん物語』に出てくる曲は全てペギー・リーの作詞。あの「ベラ・ノッテ」も。作曲はソニー・バーク。1952年。これが縁で翌年ソニー・バークの「ブラック・コーヒー」を歌いました。この曲だけ少しスレた歌い方なのは、曲のイメージを演出しているから（試聴はこちら）。

Am I Not Your Girl?
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邦題『永遠の詩集』。1992年ケルトの歌姫シニード・オコナー。スキンヘッドで反体制的なポリシーを突き進む戦士。ツアーでアメリカ国歌を歌わない。ローマ教皇の写真を破く。ボブ・ディランのコンサートでは観客のブーイングを浴びるが、平然と歌い続ける（いや、傷ついたな、これは）。我が道を行く人。最近はレゲエに凝ってるようです。

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クラリネット＆サックス奏者マーシャル・ロイヤル。カウント・ベイシーが1951年にビッグバンドを解散し、小グループでのジャズ・アンサンブルを模索していた頃、パンチのあるソロが吹けるロイヤルを引き込み、20年間一緒に活動しました。でも、このアルバムは1960年、ゴードン・ジェンキンスに誘われオーケストラをバックに演奏したもの。ホーン一本だけでもやっていける実力者だと分かるアルバムです。

Black Coffee
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タッタツタタタン・タタタタンタタン。この節回しが「ブラック・コーヒー」ですね。典型的なブルースの渋いカッコ良さ。オルガン王道路線のジョニー・ハモンド・スミス。1963年リバーサイド・レーベルから出てました。

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哀愁漂うソニー・クリスのアルト・サックス。ハードバップの牽引役ながら、明解なフレージングを多用するので聴きやすい。この曲も、硬質な高音部を取り混ぜながらメリハリの利いた仕上げになっています。