SPRING IS HERE - W&R : Jazzと読書の日々

春が来ーた　春が来ーた　どこに来た？　春分の日です。なのにまだ肌寒い。どこに来たって言うんだい？！（後記：寒いのは家の中だけだった。外出したら汗かいた）

SPRING IS HERE
1938(Lorenz Hart / Richard Rodgers) Hanne Romer

Spring is here
Why doesn't my heart go dancing?
Spring is here
Why isn't the waltz entrancing?

春が来た
でも、私の心が踊り出さないのはなぜ？
春が来た
でも、ワルツに心が弾まないのはなぜ？

欲しいものもやりたいことも何もない
たぶんそれは
誰も私のことを必要としていないから

春が来た
でも、そよ風を快く思えないのはなぜ？
星が現れても、気乗りしないのはなぜ？
たぶんそれは
誰も私のことを愛してくれてないから

春が来たと人は言うけれど・・・

春が来た。でも楽しくない。憂鬱なだけ。明るい音楽が街角に流れ、恋人たちが出歩いているのを見ると、私の心は沈む。私は誰からも愛されていないから。雑踏の中の孤独。誰も私のことを気にかけたりはしない。
邦題『春が来たと云うけれど』。1938年のミュージカル『私は天使と結婚した』のためにロジャース＆ハートのコンビが作曲。ハートはロジャースの兄の友人で、二人はコロンビア大学時代から曲を書き、ハートが亡くなる1943年まで無敵のヒット・メイカーだった。
http://video.google.com/videoplay?docid=2339689651007330672
そう言えば「ドレミの歌」もリチャード・ロジャース作曲だもんなぁ。ジュリー・アンドリュースで。マリア先生が歌うと楽しい歌かと思ってしまう。

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この曲は陰気になるんだけど、どこか明るさを残していてほしい。そういう難しい注文に応えてくれるのが、我らがチェット・ベイカー。なぜだろう？　絶望のさなかにあっても、彼が歌うと優しい気分がしてくる。たぶんそれは、彼も同じように絶望してくれているから。

I'll Take Romance
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鬱病と闘いながら、55歳で人生を閉じたスザンナ・マコークル。この曲は絶望を知っている人でないと歌えないのか？　「昔は、春と呼ばれるものが私にもあったけれど」とバースから歌い始めます。あなたの孤独を私も知っている。共感から生まれる温かさがある。

The Poll Winners Ride Again
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バーニー・ケッセルのギターをレイ・ブラウンがサポート。1959年。オスカー・ピーターソン・トリオからオスカー・ピーターソンを抜いたらカッコ良かったということでしょうか。「Poll Winners」三部作のうちの一つ。

Miles Davis At Carnegie Hall
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1961年。マイルス、カーネギー・ホールでのライブ。この人の孤独は誰にも理解できない。一曲目から「So What?」。「それがどうした？」なんて曲から始めている。「春が来た。俺は一人だ。だからどうした？」。誰かに愛されるために俺は生きてるんじゃない。

Bill Evans at Town Hall
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孤高の人となるとこの人もそうだけど、ビル・エヴァンス。1966年。このコンサートの前に父親を亡くしていて、選曲のテーマが「家族愛」になっている。「父ハリー・エヴァンスの想い出」という曲があったりする。「春が来たというけれど」も「あなたはもういない」という悲しみが込められています。お彼岸のお墓参り向き。