MOONGLOW

昨日も今日もまんまるなお月さま。お月見は一ヶ月後かな？

MOONGLOW
1934(Eddie De Lange, Irvin Mills / Will Hudson) Starlighters

It must have been Moonglow, way up in the blue
It must have been Moonglow that led me straight to you

僕はまるで故郷を持たない者のように
火星から来た異星人みたいな気持ちで
転げる石のようにうろつき回っていた
星々からのメッセージに気づくまでは

あれは青空に浮かぶ月明かりのせいだったのかな
その月明かりのおかげで僕は君と出会えたのかな

今も君の声が耳に残ってる、「強く抱きしめて」
僕は神様にお願いする、この恋を終わらさないで

あのとき二人はまるで宙に浮かんだ気分になって
天国の歌があちらこちらから鳴り響いてきたんだ

おやおや、今も月明かりが青空に昇ってるみたい
僕はずっと忘れない、君を授けてくれた月明かり

「Moonglow」。大文字で書かれているところを見ると、普通の「月明かり」ではなく、何か魔力を持った自然現象。確かに、お月さまに照らされるとロマンチックな気持ちになります。でも、この火星人のお兄さん、昼なんですよね。青空にぽかりと浮かぶお月さま。そんなのが見えちゃうようです。宇宙からのメッセージをキャッチしたんじゃあ、仕方ない。恋に落ちるしかないですね。
デトロイトのウィル・ハドソンがバンドのテーマとして書いた曲。ニューヨークに公演で来たとき、アーヴィン・ミルズに頼んで歌詞を付けた。それをバイオリニストのジョー・ヴェヌティが聴き1933年レコード化。でも不況のまっただ中で売れなかった。ところが翌年ベニー・グッドマンが歌詞を短くしたのを取り上げたところ大ヒット。不況になると、節約バージョンが売れるということか。さらに1953年ミュージカル『ピクニック』で使われ、リバイバル・ヒットしている。

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『ピクニック』は1955年にキム・ノヴァク主演で映画化。アカデミー作品賞を受賞している。どうもアメリカでは９月の第一月曜日が「労働休日」と呼ばれ、夏が去るのを惜しみ、お祭りするらしい。友人を頼って小さな町にやってきた貧乏青年ハルが、労働休日のピクニックで友人の恋人に一目惚れしてしまう話。それもこれも月明かりのせい。

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映画『ベニイ・グッドマン物語』にも出てくる「ムーングロウ」。戦後ビッグバンドは所帯の大きさのため採算が取れず、またマイクロフォンの進化で大ホールでも小グループの演奏できるようになったため、ベニー・グッドマンもコンボを組んだ。いやあ、すごいメンバーです。ライオネル・ハンプトンの鉄琴、テディー・ウィルソンのピアノ、ジーン・クルーパのドラム。そこにとろけるようなグッドマンのクラリネットが加わって、月明かりの歌。こんなの聴かされたら、恋に落ちるしかありません。

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ライオネル・ハンプトンあれば、ミルト・ジャクソンあり。ドラムの代わりに、ジョー・パスがギターでリズムを刻んでます。その中をミルト・ジャクソンのビブラフォンが軽快に走り回る。これがいかにも天界から降り注いでくる月光のように聴こえ、美しいです。1975年の作品。

ムーンライト・セレナーデ
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元はビリー・ホリディの持ち歌。それを現代風にアレンジし直したのがカーリー・サイモン。ただのムード音楽にしてないところがミソ。パンチが効いてます。
　公式サイト： http://www.carlysimon.com/

Bluebird
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同じ「ベニー」でもベニー・グリーンのピアノ。それとラッセル・マローンのギター。1963年生まれ、中堅どころのおじさんコンビです。2004年。確かにこの曲はドラムを使わないほうが良い。淡い恋の想い。気負わず、二人の音が溶け合っていきます。
　公式サイト： http://www.bennygreenmusic.com/