MOONLIGHT BECOMES YOU

涼しくなってきて寝付きが良くなると、秋だなあ、と感じます。


MOONLIGHT BECOMES YOU
1942(Johnny Burke / Jimmy Van Heusen) Basil Henriques


Moonlight becomes you, it goes with your hair
You certainly know the right thing to wear


光が髪に煌めいて月明かりが君によく似合う
君は月を身に装おうすべを心得ているんだね


月に照らされた君を見てると心が打ち震える
今宵の僕をロマンチックな気分にさせるんだ


君はドレスアップして僕を夢見心地に誘う
僕が悪いんだ、なんて言わないでおくれよ
こんな素敵な夜には夢の世界への扉が開く
君から離れたくないんだけど構わないかな


僕がもし君に「愛してる」と言ったとしても
それは月明かりのせいだと思わないでほしい
だけどホント、君は月明かりがよく似合うよ


決して、月明かりが美しくて君も美しく見える、って話じゃないんだ。分かっておくれよ。君は君自身、とても美しい。そんな君に心を動かされる。ドキドキする。本当だよ。君と二人、月を見ながら夜を過ごしているとロマンチックな気持ちになる。それは、月のせいじゃない。月のせいじゃないけど、うん、やっぱり月のせいもあるかもなあ(それは一体どっちやねん)。
「become」に「似合う」の意味があることを忘れ、「月光が君に変身する」だと思ってた曲。1942年ビング・クロスビー主演映画『モロッコへの道』で使われた。クロスビーとボブ・ホープが地中海の船旅を楽しんでいたら、船が沈没。モロッコに流れ着いて、クロスビーは生き残るためにホープを奴隷商人に販売。ところがなぜかホープはモロッコ王女の花婿候補になってしまうコメディ。クロスビーが、ドロシー・ラムーア演じる「砂漠の姫君」を城から呼び出すときこの歌を歌っている(YouTube)。翌年ヒット・チャート第一位になったが、その年のアカデミー賞を獲ったのは同じクロスビーの「ホワイト・クリスマス」


My Funny Valentine
My Funny ValentineChet Baker

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star疲れたときに
star元祖へなへなヴォーカル

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どこに入ってるかというとココ。チェット・ベイカーの持ち歌です。歌っても良いと思うんだけど、歌ってません。トランペットです。元気ないです。それがチェットの持ち味。アマゾンのmp3はリンクを間違えているので、こちらを。考えてみたら、MP3 Downloadsに入ってから「アーチスト名 曲名」で検索すればたいていヒットするんですよね。


Live at Birdland
Live at BirdlandJohn Pizzarelli

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star最高に小粋で、スウィンギーなアルバム

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こうした脱力系(?)の曲で、チェットが歌ってない場合はジョン・ピザレリ。やっぱり歌ってました。元の、凛としたラブソングを「僕ってダメだなあ」って感じの曲に仕上げてます。さすが。弟のマーティン・ピザレリがベースで参加。2002年バードランドでのライブ。間で、いろいろなアーチストと共演したときの思い出とかをMCで挟んでいます。「ムーンライト・ビカムズ・ユー」はローズマリー・クルーニーに捧げる曲。


Curtis Fuller with Red Garland
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starう〜ん、実に分かりやすい

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レッド・ガーランド・トリオをバックにカーティス・フラートロンボーン。いえいえ、一人忘れています。ソニー・レッド。彼のアルトサックスがこの「ムーンライト・ビカムズ・ユー」では主役。1960年代にはブルー・ミッチェルグラント・グリーンと組んで「色の名」カルテットを打ち上げた彼も、この1957年ではまだ無名。でもちゃんと存在感をアピールしています(試聴はこちら)。


Booker Little 4 and Max Roach
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ブッカー・リトル、衝撃のデビュー作。1958年にブルーノートから初のリーダー作を出しました。でもこの時点ではタイトル通り、マックス・ローチの名を借りているようなものですね。サックスがジョージ・コールマン、ピアノがトミー・フラナガンハードバップの円熟期です。切れのあるトランペット。20歳のデビューで既に完成している。クリフォード・ブラウンを超えると言われながら、突然の病いに倒れ、実質の活動期間が3年しかありません。それでもリトルの名はジャズの歴史に燦然と刻まれています。



カウント・ベイシー楽団の東京公演。