LOVER’S CONCERTO - W&R : Jazzと読書の日々

リクエストがあったので。

LOVER'S CONCERTO
1965(Denny Randell & Sandy Linzer / Christian Petzold) Michael Chapdelaine

How gentle is the rain
That falls softly on the meadow

なんて優しいのでしょう、柔らかに野に降る雨は
高く梢の上で鳥たちが野の花々に歌を捧げています
丘の向こうに見えるのは、目映く輝く鮮やかな虹
空から降り注ぐ魔法が今日の二人を恋へと誘います

私はあなたのもの、この日から永久にいつまでも
ただ愛を誓ってくだされば、身も心も全て捧げます
いつまでも独りの夜に私を泣かせないでください
この日のことをずっと心に留めておいてほしいです

いつか二人でこの場所に戻ってくることがあれば
再び雨の中、鳥たちの歌を聴きながら歩きましょう
そして私を抱きしめ囁いてください、愛してると
その一言がこの世を美しく変えてくれるのですから

ほら、春の歌じゃないですか。鳥や花はともかく、雨の中を歩いたりしてるところが春。これを今の季節にやっちゃあ、ダメですよ。いくら「秋雨」が季語とはいえ、ずぶ濡れになりながらイチャイチャしてる恋人たちの歌なんて。そんなことしてたら一発でインフルエンザに罹ってしまいます。
「ラバーズ・コンチェルト」はR&Bグループ「ザ・トイズ」のヒット曲。1965年全米チャート２位になっている。メロディは、18世紀にバッハが奥さんのアンナのために作曲した「メヌエット・ト長調」だと言われてきたが、実はこれ、クリスティアン・ペツォールトの作品。バッハはただ奥さんに「この曲、練習してみたら？」と渡しただけのことらしい。自分も作曲家だろうに。それで良いのか？＞バッハ

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Gyaoで流れてたそうです。1998年ハイ・チョンマン監督のデビュー作。「アンナ・マデリーナ」はバッハの奥さんアンナの名前。金城武演じるピアノ調律師の若者を中心に描かれる、ほろ苦い青春映画で、全編バッハの曲がBGMで流れています。「ラバーズ・コンチェルト」を歌っているのは、ヒロインのケリー・チャン。

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原曲。ヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品集ですが、「メヌエットト長調BWVAnh.114」というのがそれ。なんか愛らしい曲。本当はピアノではなくて、スピネットという楽器の練習に使われたようです。

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ジャズ・ボーカルならこれしかない。映画やCMで「ラバーズ・コンチェルト」を耳にしたなら、まず間違いなくサラ・ヴォーン。とても奥行きがあってゴージャス。トイズがヒットしたのと同じ1965年にレコード化。もはやグループ・サウンズ中心、ポップスの時代。大衆がジャズから離れ出したときに、「ジャズならこう歌う」という意気込みで出し、大衆の目をジャズに引き戻した作品です。

Battle of the Saxes
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1981年ソニー・スティットとリッチー・コールのサックス・バトル。もう元のメロディがどこにいったやら、きらきら煌めく音の波間から、ときどき「あれ？　これがメロディかな？」というのが垣間見られるくらいで、目眩がしそうです。アドリブの丁々発止。これぞジャズ。

バッハ2000
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バッハは意外と、クラシック時代の「ジャズ」だったのかな。彼の作品にMJQがチャレンジ。これがすんなりとハマっています。2000年、ファンキーに生まれ変わったバッハ。でも、元のメロディ・ラインに聴かせるものがあるからですよね。試聴はこちらから。