STAIRWAY TO THE STARS

一番星、見つけた。

STAIRWAY TO THE STARS
1939(Mitchell Parish / Matt Malneck & Frank Signorelli) Patrick Maier Band

Let's build a stairway to the stars
And climb that stairway to the stars

二人で星への階段を作ろう
そして一緒に登っていこう
愛と共に夜を歌で満たそう

バイオリンが聞こえてくる
青空の始まる彼方まで二人
月に導かれさ迷っていこう

ひなげしの花びらに乗って
ゆっくり丘を越えていこう
小さな夢を船にして渡れば
ずっとワクワクしていそう

二人で階段を作っていこう
天国に向かって登ることが
君とできたらそれが天国さ

「星への階段」というのは結局、天国を目指して慎ましい暮らしをしていくことですね。死ぬその日まで生きていくこと。一段一段、階段を作っていくのは大変だけど、夢を失わずにいればきっとワクワクしながらやっていける。そんな人生を君と分かち合えたら、そのこと自体が天国なんだ、というプロポーズの歌。少し凝りすぎていて、告白されたほうは「宇宙船でも作るの？」と困ってしまいそう。
邦題『星へのきざはし』。1935年ポール・ホワイトマン楽団の「パーク・アベニュー・ファンタジー」が原曲。このメロディの一部に星男ミッチェル・パリッシュが1939年に歌詞を付け、エラ・フィッツジェラルドが歌ったところヒットした。「パーク・アベニュー・ファンタジー」自体もスイングの名曲として演奏され、1959年映画『お熱いのがお好き』でも時代を反映する曲として使われている。

ダン・ファウクの「星へのきざはし」。バリー・ハリスのピアノとのデュオです。

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「星へのきざはし」で名演とされるのはこれ。1959年。メインはバグスこと、ミルト・ジャクソン。ビブラフォンが幻想的に空気に満ち渡る。そして間奏で入るコルトレーンのサックスが、なんて柔らかで優しい音色なんだろう。というわけで、高みへと導き合う「星へのきざはし」。でもハンク・ジョーンズの伴奏の支えがあってこそです。

I Just Dropped by to Say Hello
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ボーカルだとジョニー・ハルトマン。いきなりイリノイ・ジャケーの熱いサックスから入ります。これで参ってしまう。そこにハルトマンの甘い歌声がかぶさってきて、気怠い夜に包まれていきます。というわけで、これも二人で作り上げる「星へのきざはし」。やっぱり伴奏はハンク・ジョーンズ。

At Mister Kelly's
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夜をしんみり味わうにはもう一枚。1957年サラ・ヴォーン。シカゴのミスター・ケリーズでのライブです。ざわつく店内にサラの歌が始まると、お客さんたちがじっとそちらに耳を傾ける。息づかいが聞こえてくる。夜を歌で満たそう。CDを通して実際にその場に立ち会っている臨場感があります。こちらの伴奏はジミー・ジョーンズ。

Our Man in Paris
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映画『ラウンド・ミッドナイト』のモデルになったのがバド・パウエル。そして映画に主演しているのがデクスター・ゴードン。1963年その二人がパリで巡り会ったときのライブです。ニューヨークを追われパリに移住していたパウエルは旧友ゴードンを温かく迎えるものの、もう新しい曲を覚えられないほどボロボロになっていた。そこでゴードンは懐かしいスタンダードばかり選曲。「星へのきざはし」は「いつか一緒にニューヨークへ帰ろう」という誘いなのでしょうか。翌年パウエルはアメリカに戻り、1966年ニューヨークで41年の生涯を閉じています。

Undercurrent
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名演中の名演。1962年ビル・エヴァンスのピアノにジム・ホールのギターが寄り添っています。ジャケットの、川を流れる女性は「ハムレット」のオフィーリアのイメージ。愛する恋人の早すぎる死。エヴァンスは前年スコット・ラファロを事故で亡くし、失意のうちにあった。彼が目指す音楽の高み、インタープレイと呼ばれる「星へのきざはし」は、その協力者を失った。誰にラファロの代わりが務まるというのだろう。その、ピアノを捨てようとしていたエヴァンスに救いの手を差し伸べたのがジム・ホール。ピアノとギターが溶け合い、一つの楽器のようにハーモニーを生み出しています。