EV’RY TIME WE SAY GOODBYE

春は三月、卒業シーズン。


EV’RY TIME WE SAY GOODBYE
1944(Cole Porter) Two's Company


Everytime we say goodbye, I die a little
Everytime we say goodbye, I wonder why a little


さよならを言うときはいつも、少し心が沈む
さよならを言うときはいつも、少し思い悩む
神さまは私のことをよくご存知なはずなのに
どうして私のこと考えてくれないのかしら?


あなたの側にいるときは春の香りに包まれる
どこからか春を囀る雲雀の声が聞こえてくる
素敵な歌、なのにおかしいの、長調のはずが
さよならを言うと短調に変わってしまうから


だって、まだ春じゃないですよ。ヒバリも空の上で眠っています。神様だって冬眠中なんですから、愚痴をこぼしてみたところで届くはずありません。恋人に「さよなら」を言って独りの時間が訪れたなら、「あなた」もどうぞお休みください。明日来る春を夢見ながら。
邦題『いつもさよならを』。1944年レヴュー『Seven Lively Arts』(「七つの大罪」が seven deadly sins なので、そのもじり)の挿入歌。1939年にアメリカに亡命したストラビンスキーのバレエを紹介するミュージカルだが、間にコール・ポーターの歌を挟んでいる。「いつもさよならを」はナン・ウィンが歌い、ベニー・グッドマンが演奏。この歌詞に合わせ、実際に「メジャーからマイナーに」変化するコード進行を使っている。1987年にシンプリー・レッドリバイバル・ヒット。


Ballads: Remembering John Coltrane
Ballads: Remembering John ColtraneKarrin Allyson

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starちょっと暗いかな

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コルトレーン『バラード』をボーカルで再現した佳作。でも、カーリン・アリソンは真似してるのではありません。曲想は同じでもコルトレーンコルトレーン、私は私。楽しい気持ちから淋しい気持ちに移行する心の微妙な移り変わり。それを自分の中から引き出して、彼女は歌に載せています。
 公式サイト: http://www.karrin.com/


At the Manne-Hole, Vol. 2
At the Manne-Hole, Vol. 2Shelly Manne & His Men

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star当時のマン・ホールの様子がよくわかる

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ヘンリー・マンシーニは、自作の映画音楽には必ずこの男に声を掛けたと言う。シェリー・マン。ウェスト・コーストを代表するドラマーにして、クラブ「マン・ホール」のオーナー。きっと「いつもさよならを」は閉店ソングですね。そりゃあ、蛍の光よりこの歌でこそジャズ・クラブです。明るく哀しい、ラス・フリーマンのピアノがなんとも言えません。1961年ライブ盤。


Dream Dancing: Songs of Cole Porter
Dream Dancing: Songs of Cole PorterBeegie Adair

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starジャズピアニスト=女性

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今年銀座で女性に大人気(らしい)。元音楽の先生で、結婚されてから夫と会社を設立し、コマーシャルに使う音楽を手掛けているビージー・アデール。コール・ポーターの楽曲を紹介する2001年の作品。夢見る乙女心と優雅な品の良さがピアノから垣間見られるのは、お人柄なんだろうなあ。
 公式サイト: http://www.beegieadair.com/



マイ・フェイヴァリット・シングス(+2)
マイ・フェイヴァリット・シングス(+2)ジョン・コルトレーン

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star虜になるか、好みでないと思うか、評価が分かれるアルバムだと思います
starぼくの頭に初めてコルトレーンの『My Favorite Things』が鳴った日
starマイ・フェイヴァリット・シングスで辿るコルトレーンの軌跡(1)

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1960年マイルス・グループを脱退し、独自のサウンドを追い求めたコルトレーン。その出発となるアルバムがこれ。ちょっと有名過ぎ。でも「私のお気に入り」が生きてくるのは、「いつもさよならを」が正統なバラードだからだと思うんです。この後エリック・ドルフィーが入団しヨーロッパ・ツアーに回るのですが、コペンハーゲンでもパリでも「いつもさよならを」が隠し味として使われています。