SAY IT

あと「語り」というテーマで考えると、これも押さえておきたい。


SAY IT
1940(Jimmy McHugh / Frank Loesser) Karrin Allyson


Say it over and over again
Over and over again


囁いてください、何度でも何度でも
終わりなく、あなたは私のものだと
囁いてください、とても甘く優しく
昔からの恋人がするような囁き方で


あなたが囁く「愛してる」の言葉は
物語で読んだ「愛してる」みたいに
ありふれた「愛してる」が姿を変え
神様からの言葉のように聞こえます


囁いてください、柔らかく慎ましく
そして、いつまでもいついつまでも
あなたは私のものと囁いてください


あま〜いラブソング。でも決め手はheavenly phraseでしょうか。「天国からの言葉」。何気ない挨拶のように使っている「love」という言葉が(まあ、アメリカ人は「I'm loving it」と平気で使ってるわけですから)、「あなた」が囁くと神様からのメッセージのように聞こえる。私のことを「そのままで良い」と言ってくださっている。
1940年マーク・サンドリッチ監督映画『バック・ベニー・ライズ・アゲイン(Buck Benny Rides Again)』の挿入歌。ラジオ・ドラマのスター、ジャック・ベニー自身を主人公にしたミュージカル。当時のラジオ・スターが総出演で、ネバダからニューヨークに帰ろうとするジャック・ベニーの邪魔をする話。「セイ・イット」はアップテンポな明るいスイングとして歌われた様子(YouTube)。同年トミー・ドーシー楽団がシナトラをヴォーカルにレコード化してベストセラーになった。



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ニアネス・オブ・ユー:ザ・バラード・ブックマイケル・ブレッカー ハービー・ハンコック

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star日本盤のみに入った『Say It(Over And Over Again)』
starMブレッカーの贈り物
starサックスが鳴っていない!!

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なんと輸入版には「セイ・イット」が入ってません。日本語版だけのボーナス・トラック。これは捨てがたい。マイケル・ブレッカー。きっと天国で、コルトレーンとジャム・セッションしてるんだろうなあ。


Ballads
BalladsJohn Coltrane

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starくるまれる幸せ
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「セイ・イット」はコルトレーンが作曲したインスト曲だと思っていました。何度も何度でも聴いてしまうアルバム。ずっとゆったりして温かい。寒い季節にオススメの一品(?)。1962年。彼のバラードには彼ならではの優しさがある。


Ballads: Remembering John Coltrane
Ballads: Remembering John ColtraneKarrin Allyson

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starちょっと暗いかな

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いつもならタイトルの試聴リンクはセミプロの人のを探すのですが、さすがに「セイ・イット」を歌っている人が見つかりませんでした。仕方ないので、カーリン・アリソンが公開してくれている「セイ・イット」を張っておきます。2001年、コルトレーンの代表曲をボーカルで表現したアルバム。「ナイーマ」を「歌って」くれているのが嬉しい。


Welcome to Love
Welcome to LovePharoah Sanders

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starファラオのバラードに涙,
starファラオのバラードに涙
starコルトレーンをなぞるように・・・

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コルトレーンと言えばファラオ・サンダース。1965年にコルトレーン・グループに加入してから、コルトレーンの死後もバンド・リーダーを務め、コルトレーンの晩年の路線を突き進んできた。でも、そこに「自分の音」はあるのだろうか。1977年アリスタ・レコードに移籍してから独自の音楽を模索し、1990年「師の曲」に戻り腕試しです。コルトレーンと同じ構成でのバラード。そこで自分のサックスを吹く。天国の師は微笑んでくれているだろうか。


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star気持ちいいです。

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「セイ・イット」をピアノで表現するとこうなります。ジェシカ・ウィリアムズ。2004年グラミー賞にノミネートされたアルバム。フィリー・ジョー・ジョーンズのバンドでピアノを弾き始めた彼女も、ずっとコルトレーンを意識してきたようです。語りかけるようなピアノの囁き。