I GET A KICK OUT OF YOU

今日は成人式。そうか、今年の成人は平成生まれの人たちなのか。月日が経つのは早いものだなあ。


I GET A KICK OUT OF YOU
1934(Cole Porter) Del Baroni


I get no kick from champagne
Mere alcohol doesn't thrill me at all


シャンペンなんかじゃときめかない
ただのお酒じゃワクワクしない
なのになぜ、あなたのことを思うと
私の心はドキドキしてくるのだろう


コカインに手を出す人もいるけれど
たぶん、私は一嗅ぎしただけで
そんなのには退屈してしまうと思う
私が本当にときめくのはあなただけ


あなたが前に立つだけで胸は高鳴る
私なんか目に入ってないことくらい
百も承知なのに胸がドキドキしてる


飛行機に乗って空を飛んだとしても
それが男の人と二人きりだとしても
それで心が動くような私じゃない
なのにあなただけには心ときめくの


お酒は二十歳になってから。コカインは二十歳になってもダメです。昔、コカ・コーラにはコカインが入っていました。「コカ」は「コカイン」のこと。モルヒネ中毒の治療薬として作られたものの、コカインも有毒だとわかり1903年に使用中止。でも、今のコカ・コーラも鼻から飲めば、少しはトリップできるかも(嘘)。
邦題『君にこそ心ときめく』。ミュージカル『エニシング・ゴーズ』でナイトクラブの歌姫レノ役のエセル・マーマンが歌った。開幕直後に使われる曲で、どぎつい歌詞で客を脅かそうというコール・ポーターの茶目っ気を感じる。エセルは1936年の映画化のときにも出演(ビリー役はビング・クロスビー)。

「コカイン」と言いながら鼻をすするのはどうかと思う。ジェイミー・カラム



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二十歳の頃はミズーリー大学の学生。歌いたくて、卒業と同時にニューヨークへ。ジューン・クリスティがたまたま彼女の歌を聴いて、スタン・ケントンに紹介。スタン・ケントン楽団のリード・ボーカルに採用され、「クリス・コナー」の名は一躍有名になりました。このアルバムはアトランティック移籍の第一弾。バックもピアノがジョン・ルイス、サックスがズート・シムズと豪華です。その彼女もホームページを見ると80歳になられたようです。いつまでもお元気で。


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二十歳の頃はカンザスからニューヨークに出てきて、皿洗いで暮らしていたチャーリー・パーカー。しかし、そのクラブでアート・テイタムのピアノを聴いたことが、後のパーカーに影響している。「君にこそ心ときめく」は放送コードの関係で一時期「コカイン」の代わりに「ビバップ風のリフレンにはときめかない」と歌われたことがあり、「これでもかい?」と茶々を入れたのがこの演奏。いえいえ、充分ときめきます。


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starブラウン=ローチの代表作の一つ
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二十歳の頃はデラウェア大学数学科を専攻。バリバリ理系のクリフォード・ブラウンディジー・ガレスピー口説き落として、チャーリー・パーカーと競演。これでどっぷりジャズの世界に足を突っ込むことになってしまった。ジャズ・メッセンジャーズで活躍後、マックス・ローチと組んだアルバム。若さがほとばしる、ハード・バップにときめく一枚。


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二十歳の頃はキューバの国営バンドで働いていたアルトゥーロ・サンドヴァルキューバ危機の後だから、まさか自分が海外で活躍するとは思ってなかったろう。ラジオで隠れて聞いたディジー・ガレスピークリフォード・ブラウン。本場のサルサ・バンド、イラケレのメンバーとして知られるようになり、40歳でアメリカに亡命。ブラウニーへの秘めてきた「ときめき」を爆発させています。