IF I WERE A BELL

キーンコーンカーンコーン！　新学期が始まります。入学式までお天気が持つといいですね。満開の桜がきっと門のところで待ってくれています。

IF I WERE A BELL
1950(Frank Loesser) Petr Hanzlik

Ask me how do I feel
Now that we're cosy and clinging
Well sir, all I can say, is if I were a bell I'd be ringing!

私がどんな気持ちか聴いて下さい
こんなふうに抱きしめ合ってると
もし私が鐘だったら鳴りっぱなし
口づけを交わしてからそんな感じ
もしランプだったらピカピカ光り
もし旗だったらパタパタ靡いてる

私がどんな気持ちか聴いて下さい
おしとやかに育ってきた私だけど
もし私が扉だったら揺れっぱなし
そして、もし私が腕時計だったら
手始めに中のゼンマイが飛び出し
鐘ならゴーンゴーン鳴り響いてる

私がどんな気持ちか聴いて下さい
これは一種の化学の授業だと思う
電球のフィラメントが火を噴いて
自制心なんか焼け落ちてしまった
もしアヒルだったら鳴いて命乞い
ガチョウだったら既に料理済みね

私がどんな気持ちか聴いて下さい
こんなふうに抱きしめ合ってると
例えば、もし私がサラダだったら
ドレッシングを跳ね飛ばしてるし
季節に喩えればきっと春だろうし
鐘ならキンコンカンコンキーン！

えーっと。とても混乱しています。どうやら初めて知る自分の感情だったようです。教養の高さを示すために、いろいろな「If I were 〜」の仮定法過去を使っていますが、ええ、混乱しています。後半になると、比喩も食べものになっていくあたり、その教養もあやしいものです。でも、おめでとう。これからも頑張ってください。
邦題『もしも私がベルなら』。1950年デイモン・ラニヨン原作のミュージカル『野郎どもと女たち(Guys and dolls)』の挿入歌。賭博師の二人組が、ボランティア団体の救世軍本部を騙して賭博場にしてしまおうとし、かえってそこで恋に落ち、堅気に戻ることを誓うハードボイルドな物語。1955年に映画化され、マーロン・ブランドとフランク・シナトラ、ジーン・シモンズ、ヴィヴィアン・ブレインの豪華キャストが出演し、ジーン・シモンズがこの唄を歌っている。

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実はこの歌が使われるシーンは、救世軍本部からジーン・シモンズを引き離しておくために、マーロン・ブランドが彼女を酔い潰してしまう場面です。でも途中で改心して、彼女を救世軍に送り返すと、そこには警察が来ていて・・・。

Miles in Tokyo
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この曲はマイルスが『Relaxin'』の冒頭に持ってきて有名。キーンコーンカーンコーンの予鈴から始まるアレンジは「さて、始めるか」という気にさせます。って、学校教育で染み付いた条件反射？　ともかく、1964年の東京公演。ピアノがハービー・ハンコックでベースがロン・カーター。フリー・ジャズのサックス奏者サム・リヴァースも参加していて、エネルギッシュなライブになってます（今月末に新盤発売予定）。

Red Garland's Piano
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『Relaxin'』でピアノをしていたレッド・ガーランド（なるほど映画の翌年か）。自分のアルバムでも取り上げているところを見ると、元のアレンジは彼のアイデアだったのでしょうか。ポール・チェンバースのベースとのピアノ・トリオで、レッドを中心にメロディが進行していくと、この曲がクールにスイングし始めます。上品さ漂う逸品。

Up for It: Live in Juan-Les-Pins
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元気なキースなら、このライブ。2002年フランスのアンティーブ・ジャズ祭り。やはり「もしも私がベルなら」が冒頭。コンサートの前菜に最適ということか。それでも気心の知れたゲイリー・ピーコックのベースで、初っ端から盛り上がっています。

Blame It on My Youth
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ホリー・コール２枚目のアルバム。カナダのジャズ・シンガーだった彼女が世界的に注目されるようになったのは、このアルバムの「Calling You」だけど、やっぱりスタンダードもきっちりと自分の曲に仕上げているからだと思う。よく響く低音を武器に、攻撃的に捲し立てて歌っています。恋とは「闘い」なんだ。ヴァイオリンにジョニー・フリゴが参加。