DANCING IN THE DARK

こう昼暑いと、夜出歩くほうが過ごしやすいですね。夜桜も幽玄。


DANCING IN THE DARK
1931(Howard Dietz / Arthur Schwartz) Flip Peters


Dancing in the dark 'til the tune ends
We're dancing in the dark and it soon ends


この闇の中で踊ろう、この曲が終わるまでは
でも闇の中では、すぐに歌も終わってしまう
なぜ僕たちはこんなところにいるのだろう?
時は駆け足で過ぎ去り、二人別々の道を歩む


闇の中で、夜を照らす新しい光を探し求めた
昔の恋を忘れようとして、僕は君と出会った
どんな結果が待ち受けていようとも構わない
君となら、この闇の中でも踊ることができる


たとえ昔の恋の代わりとしても、それが何だ
流れる曲があのときのままでも、それが何だ
あの若かりし頃をもう一度取り戻せるのなら


君に聴いてほしい、むせび泣く僕の心の声を
愛しい人よ、僕たちは一つだと言ってほしい


face the music。「音楽と向き合う」というこの言葉には「自分の行為の結果(特に世間の批判)を進んで受けとめる」という慣用句の意味があります。これが歌の中心になってますね。刹那の恋。失恋の痛手を埋め合わせるために、新しい恋を探して夜を歩く。褒められたことではないけれど真剣です。この暗闇の中で光になってくれるのは「君」しかいない。刹那であっても、この恋は永遠。
1931年レビュー『バンド・ワゴン』の挿入歌。フレッド・アステアが姉のアデール・アステアと共演した舞台で、アデールはこの後イギリスの貴族と結婚し引退している。でも歌ったのはジョン・ベイカー。世界恐慌の不況を「闇」に喩えていて、当時の評論界で絶賛された。1953年にはフレッド・アステア主演で映画化され、シド・チャリシーとのダンスを披露している。当然ブルース・スプリングスティーンとは別の曲。


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「まあ、四月だし」ということで思い出したアルバム。1949年録音。これと1950年のカーネギー・ホール・ライブとを合わせたのが『ウィズ・ストリングス』です。1949年にフォックス映画社から『バンド・ワゴン』を基にした『ダンシング・イン・ザ・ダーク』という映画が出ているので、その影響でバードも取り上げたのかな。


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starすばらしい!のひと言
star心地よいヴォーカルに包まれて・・・・至福の時を過ごしています
starHow nice Diana!

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同じウィズ・ストリングスでも、こちらはボーカル。バックのオーケストラをも自分の声に活かしているダイアナ・クラールです。2001年。貫禄が増してきて、渋くて艶がある。あまりハッピー・エンドを感じさせない、押し殺した悲痛な叫び声のため息。


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1959年ブルーノート。ジャズ入門の一枚とされている作品で、穏やかで分かりやすく美しい。キャノンボール名義の実質マイルスのリーダー作と言われるものの、「ダンシング・イン・ザ・ダーク」ではキャノンボールが本領を発揮して、ふくよかな情感を彩っています。


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1961年スコット・ラファロの死後、ベースにチャック・イスラエルを迎え、それでも納得せず、次にゲイリー・ピーコックと組んだアルバム。1964年。実験的なインタープレイが、ここでは楽しく演じられています。意外と相性が良かったのかな。エヴァンスの選曲は相変わらず意味ありげ。「ダンシング・イン・ザ・ダーク」も「新しい相方を探し求めるモチーフ」からでしょうか。ゲイリー・ピーコックは2年ほど京都で過ごしてから、キース・ジャレット・トリオの一員として活躍するようになります。