BYE BYE BLUES

お昼ごろには「春」が来てました。


BYE BYE BLUES
1930(Dave Bennett / Fred Hamm) Gypsy Swing Revue


Bye bye blues
Bye bye blues


つらいの、つらいの、飛んでいけー
鐘は鳴り響き、鳥たちは歌っている
太陽は輝き、嘆くのはもうおしまい


僕たち二人だけ、ずっと笑っている
溜め息もないし、泣いたりもしない
つらいの、つらいの、飛んでいけー


これ、バースで「君が微笑むなんて思わなかった」と始まるんですよね。だから、この「憂鬱な気分」は「あなたの」なんです。そうすると、この歌は「あなた」を元気付けるおまじないかな? 「催眠術」みたいなものかも知れない。注意をまず外の世界に向ける。ずっと鳥は鳴いているし、太陽は輝いてるんだけど、「あなた」は今まで気づいてなかった。さあ、そのことに気づきます。次に自分たちに目が行きます。二人で笑ってるよね。ほら、こんなふうに。ね、段々と元気が出てきたでしょ?
1925年にフレッド・ハムが作曲しヴィクター・レコードで吹き込んだものの、発表されなかった曲。それを1930年ホテル・ビルティモア楽団のバート・ロウンがコロンビアで吹き込み、自分たちのテーマソングにした。NBCラジオの番組「バイキングス」のオープニングにも使われ、ポピュラー・ソングとして定着していく。

1952年レス・ポールがチャート1位の大ヒット。動画はスティーヴ・クロウティアさんによるコピー。


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レス・ポールさん、去年亡くなられたんですね。享年94歳。亡くなるまで毎週イリジウムでライブをやっていたというから、お元気というか、人生を楽しみ切ったのかな。「バイバイ・ブルース」は奥さんのメリー・フォードが歌う1952年バージョン。ギブソン社がレスポール・モデルを発売した年です。


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starダイナ最良の時期

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ジャズ・ボーカルでのヒットはダイナ・ワシントン。1953年のマーキュリー時代は脂が乗っています。アップテンポでガンガン攻めてきます。トランペットにはクラーク・テリー。エリントン楽団からビバップに転向した人で、宿無しのマイルスに自分の住居を提供し、音楽も教えてあげた先生。お師匠さまのトランペットも一味違います。
 まだお元気: http://www.clarkterry.com/


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starレッドの魅力全開

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サックスでは、ソニー・レッドの1961年『ザ・モード』。グラント・グリーンがギターで入り、ピアノにシダー・ウォルトン、ドラムにジミー・コブ。でも寡作な人なので、おまとめ版の『赤・青・緑』しか見当たらないですねえ。「青」のブルー・ミッチェルは入ってないけれど、音色のきらびやかさと柔らかさが縦横無尽に駆け巡る「バイバイ・ブルース」はモード・ジャズの極致です。


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春なんて言わず、夏まで行ってしまうルイス・ボンファボサノヴァ。映画音楽の作曲家として活動しながら、1966年に自分名義で出したアルバム。ボサノヴァと言っても甘くないです。エリシオ・ミリートの甲高いドラムをバックにして、スタンダードがボンファ流に解釈し直されていく。流暢に紡がれていくギターの語る、からりと爽やかなリオの夏の夜。


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この方もまだお元気、デイヴ・ブルーベック。2000年80歳のときのアルバムです。1930年代のスタンダード曲をピアノ・ソロでしっとりと。力で押すのでもない、テクニックで攻めるのでもない。自分の中のリズムがそのままに鍵盤で表現されていく。まあ、この境地になるには齢を重ねないといけないのだろうなあ。もちろん、才能があるひと限定ですけど。
 公式サイト: http://www.davebrubeck.com