YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC

昨晩はフレッド・アステアの『バンド・ワゴン』を見てたんですが、なんというか。


YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC
1934(Howard Dietz / Arthur Schwartz) Susan Pascal


You and the night and the music
Fill me with flaming desire
Setting my being completely on fire


あなたと夜と音楽が
僕を燃えさかる欲望で満たす
まるで炎に投げ込まれた様に


あなたと夜と音楽が
僕の心をときめかせる
しかし夜と音楽が終わっても
二人は心離れず済むだろうか


夜明けの光が差し込むまでは
心のギターをかき鳴らそう
でも朝が予告もなく訪れると
星々は追い払われてしまう


この瞬間しか生きられぬなら
この時の続く限り愛し合おう
でも夜と音楽が絶えた後でも
あなたを離さず済むだろうか


あー、ウジウジ。恋人と二人っきりで夜を過ごしているのに、もう朝のことに気が散り「僕、捨てられちゃうんじゃないか」と考える。自分に自信がないんだなあ。ムーディーな音楽が掛かっている夜だから、僕にウットリしてくれている。僕の実力じゃないんだ。シチュエーションのお陰なんだ。- まあ、その考え方が命取り。お気づきかな?
邦題『あなたと夜と音楽と』。1934年、最初ラジオで紹介され、そのあとミュージカル『リヴェンジ・ウィズ・ミュージック』で使われた。1953年の映画『バンド・ワゴン』にも挿入歌として歌われている。作詞家のディーツはMGMの映画広報部、作曲家のシュワルツはサイレント映画の伴奏ピアニスト。1928年からチームを組んで『アローン・トゥゲザー』『ダンシン・イン・ザ・ダーク』などの名曲を手掛けました。


Green Dolphin Street
Green Dolphin StreetBill Evans

Riverside 1995-06-30
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star1959年3月の貴重なセッションの録音です。ビル・エヴァンスのスタイルはすでに確立されていましたね。
star美しい曲がいろいろ・・・
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エヴァンスはこの曲が好きで、何度も録音しています。このアルバムはスコット・ラファロと出会う前のエヴァンス。1959年。ベースがポール・チェンバースです。


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Blue in GreenTierney Sutton

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starグラマラス!

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そのエヴァンスへのトリビュート盤。1998年セロニアス・モンク・コンテストの優勝者ティアニー・サットン。「Waltz for Debby」にも歌詞をつけてます。


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StandardsGrant Green

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starグリーンは夜が似合う
starヘロヘロ、トロ〜ン

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定石通りのグラント・グリーン。気負いのないギターで、静かなスイングをしています。


Time Is Right
Time Is RightWoody Shaw

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starWoody Shaw Quintet 最後の輝き

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ホレス・シルバーアート・ブレイキージャッキー・マクリーンとともに活動し、頭角を現してきたトランぺッター、ウッディー・ショウ。ソロ活動を始め「これから」というとき、妻と幼い息子が謎の失踪。蒸発した家族の行方を求め放浪するうちに、彼も衰弱死してしまう。最愛の人と音楽と自らの命とを一度に失う。こんな悲しい人生があるものだろうか。



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アマゾンでは評判がいいけれど、そんな名作か? まずストーリーが、あってないような。昔の栄光に囚われたミュージカル俳優が、心機一転して新しい舞台に挑戦し成功を収める。その博物館クラスの俳優にフレッド・アステア、お相手の若手女優にシド・チャリシー。定番で固めた映画なんだけど、まず劇中劇が「これで本当に舞台が成功するか?」のシロモノだし、踊りにも必然性がない。「あなたと夜と音楽と」なんて「戦隊モノの特撮?」と言いたくなる火薬の連爆。アステアも老けすぎで、色恋沙汰が似合わない。これは失敗作でしょう。
とはいえ、なんて軽やかなんだろう。身体が無駄のない動きで、重力からも解放されたかのように舞い踊る。「アステアが踊れば、それがエンタテインメント」。そういう内容の映画として見れば、納得です。