YESTERDAYS

卒業シーズン。住み慣れた街を旅立ち、新しい生活へと。空もちょっと涙雨。

YESTERDAYS
1933(Otto Harbach / Jerome Kern) Maria Kramer

Yesterdays, yesterdays
Days I knew as happy sweet sequestered days

過ぎ去し日々よ
幸せで、甘く、彼方に消えた日々
懐かしく、光り輝く日々
狂おしいロマンスと恋心の日々よ

あの頃の私には華やぐ若さがあり
自分の心に正直だった
楽しく、縛られず、命燃やす人生
本当の自分を生きていた

今は涙ぐんだり微笑んだり過ごす
ただ過ぎ去った日々を夢見ながら

あの若かりし、恋に生きた日々。今となっては何もかも懐かしい。心行くまで過去に別れを告げ、涙が枯れ尽くしたとき、人は次の人生の扉を開く。「yester-」というのは古英語で「過ぎ去った」という意があり、「yesteryear」だと「去年」になったりします。
1933年ミュージカル『ロバータ』の曲。ナチスが政権を取った年にドイツ系ユダヤ人のカーンがこの曲を書いたのは、何かの因縁か。1935年フレッド・アステア主演の同名映画にも使用され、1952年には『ロバータ』を翻案したMGM映画『Lovely To Look At』にも採用された。終わりそうで終わらないコード進行の面白さからインストで取り上げる人も多い。

helen merrill
	Helen Merrill with Clifford Brown Universal Jazz 1990-10-25 売り上げランキング : 4185 おすすめ平均 you'd be so nice to come home to 五つ星どころか六つ星をあげたい！ これを５ツ星としないで、どうする Amazonで詳しく見る by G-Tools

ヘレン・メリルの悲痛な叫び声。「ユービーソー」のほうが有名かもしれないけれど、「イエスタデイズ」も聴いてください。クリフォード・ブラウンのトランペットも文句無し。

Miles Davis, Vol.1
	Miles Davis Import 2001-07-17 売り上げランキング : 42552 おすすめ平均 いわゆる2in1なんだけれど… Blue Note Complete 麻薬漬けのマイルスと立ち直ったマイルスが聴けます Amazonで詳しく見る by G-Tools

独自路線を歩み始めたマイルス・デイヴィス。1955年のニューポート・ジャズ・フェスティバルで注目を浴び、慌ててブルーノートが過去の音源から集めて出した12インチ・レコードです。アート・ブレイキーのドラムをバックに、マイルスがトランペット一本で奏でる「イエスタデイズ」。この曲で、すでに過去との決別を宣言しています。

At the Opera House
	Stan Getz with J.J. Johnson Verve 1991-07-01 売り上げランキング : 47118 おすすめ平均 ５７年極上のライブ 実力派のがっぷり四つが繰り広げる100パーセントジャズの醍醐味 絡みつくようなインタープレイ Amazonで詳しく見る by G-Tools

一流のアーチストを集めて開催されるジャズ・アット・ザ・フィルハーモニックのコンサート。滑らかにアドリブを繋ぐスタン・ゲッツとゴツゴツと音を並べるJJ.ジョンソン。さらにオスカー・ピータソン、ハーブ・エリス、レイ・ブラウン、コニー・ケイ。誰もが個性的。なのに全体で調和が生まれる。それがジャズの面白さ。

http://video.google.com/videoplay?docid=275958543368018019

The Wes Montgomery Trio
	Wes Montgomery Trio Riverside/OJC 1991-07-01 売り上げランキング : 7780 おすすめ平均 素晴らしい Amazonで詳しく見る by G-Tools

悲しい曲を集めたウェス・モンゴメリー。1959年リバーサイド移籍の第一作目で、彼はオルガンの伴奏でギターを爪弾くことを選びました。メル・ラインのオルガンはピアノとベースの役割を兼ね備え、しかも宗教的な雰囲気を醸し出しています。

Cambios
	Poncho Sanchez Concord Picante 1991-07-01 売り上げランキング : 262219 おすすめ平均 より洗練されたサウンドに Amazonで詳しく見る by G-Tools

コンガのポンチョ・サンチェス。過ぎ去りし日々を陽気に追悼するラテンのリズム。激しいソロをサンチェスが披露し、飲めや歌えやのお祭り状態になっていきます。フレディ・ハバードのソロもきゅるるる〜〜〜と決まっている。皆の衆、宴じゃー！

Timeless Tales (For Changing Times)
	Joshua Redman Warner Bros. 1998-09-22 売り上げランキング : 172709 おすすめ平均 もう７年も前だが斬新だ！ 初のセルフプロデュースにかける意気込みが感じられる意欲作 ジャズ版『展覧会の絵』- 腹八分目の男 Amazonで詳しく見る by G-Tools

若いころのジョシュア・レッドマン。もう38歳になるのかな。これは29歳のときのアルバム。ファンキーな８ビートで「イエスタデイズ」を今風にアレンジしている。もとのメロディを殺さず、しかも踊り出しそうなサックスのソロ。過去は忘れるためにあるのではない。温故知新な作品集。